今回の2試合は、いずれも一方的な展開ではなく、両チームに勝機があるオープンな戦いになりそうです。セント・ジェームズ・パークでは、ボールを保持しながらも決定機を与えてしまうニューカッスルが、鋭いカウンターを持ち味としながらも過密日程で疲労が色濃く、左サイドに不安を抱えるアストン・ヴィラ (イングランド)を迎えます。一方のクリチバでは、立ち上がりに強いものの終盤に失速するアトレチコ・パラナエンセが、キャプテンと主力の右ウイングバックを出場停止で欠くパルメイラスの守備陣と激突します。どちらの試合も、誰が先制するか以上に、先制された側・した側がどうリアクションするかが鍵を握ります。
ヤイスレ監督率いるニューカッスルは、ポゼッションを高めながらも効果的な攻めに結びつけられず、不用意なボールロストも目立ちます。リーグ最多タイの13失点を喫しており、本拠地セント・ジェームズ・パークでのハル戦では22本ものシュートを打たれ、コベントリー戦では代役GKホルニーチェクが早い時間帯にPKを献上しました。対するヴィラは、アウェイでボールを持たれない展開を苦にしません。カマラがボールを奪い、マンザンビとマッギンが運び、ジャクソンは直近3試合で4ゴールを挙げています。トッテナム戦でもポゼッション率わずか3割強で勝利を収めました。
また、サイドの力関係も重要なポイントです。ヴィラはルッジェーリとマーツェンが離脱中のため、本来とは逆サイドの左サイドバックにビサカが入る見込みです。対するニューカッスルの右サイドはマーフィーとデディッチが並び、ここがホームチームにとって最も崩しやすいルートとなっています。ニューカッスルは直近10試合中9試合で得点していますが、両チームともこの10試合でクリーンシート(無失点)は2回以下にとどまっています。
先制点が入った後の展開も、試合がオープンになる要因です。ニューカッスルはハル戦で2点リードした際、後半は引き気味になって相手にチャンスを与え続けました。逆にコベントリー戦で先制を許したときは、焦って前がかりになったところでボールを失い、終盤に失点を重ねています。ヴィラもミッドウィークの欧州カップ戦による休養不足から終盤の攻撃力低下が懸念されますが、守備陣が90分間集中を維持できるかという点でも不安が残ります。
ブラジルでは、オダイール・ヘルマン監督率いるホームのアトレチコがウイングバックを高く押し上げて序盤から攻勢に出ます。直近6試合中5試合で35分より前に先制点を挙げており、ビベロスはリーグトップの21得点を記録しています。ただしその代償は終盤に現れ、直近で喫した20失点のうち8失点が試合終了前の15分間に集中しています。パルメイラスの堅守は出場停止のグスタボ・ゴメスとジャイに支えられていた面が大きく、相手が引いて守り攻めてこない試合で築かれたものでした。ミッドウィークに準決勝セカンドレグを控えるパルメイラスはターンオーバーが予想され、コンパクトに構えてソサとアリアスのカウンターを狙いつつ、試合開始から1時間ほど経ったところで主力を投入する手堅い試合運びが予想されます。
パルメイラスは流れの中からでなくても、セットプレーやピケレスのクロス、終盤のベンチメンバーから最近ゴールを奪えています。アトレチコも直近10試合中9試合で得点しており、パルメイラスは勝てば首位に立てる状況のため、どちらも引き分けで満足することはありません。
こうした理由から、私は両試合とも「両チーム得点(BTTS)」を予想します。双方の攻撃が相手守備陣の脆い部分と噛み合っており、どちらの試合も先制点が入ることで守りが固まるのではなく、むしろ試合展開がさらにオープンになると見ています。