【26-27 オランダ エールディヴィジ】エクセルシオル・ロッテルダム vs フローニンゲン 分析プレビュー キックオフ: 10月11日 23:45(日本時間)
エクセルシオル・ロッテルダムとフローニンゲンが、日本時間10月11日23時45分にロッテルダムのファン・ドンヘ&デ・ロー・スタディオン(旧ファウデスタイン)で激突します。オランダ・エールディヴィジで7試合を消化した両チームは勝点11で並んでおり、3週間の代表ウィークを終えて揃ってリーグ戦を再開します。順位の差はわずか1つですが、ここまで勝点を積み上げてきたプロセスや、この試合で突くべきポイントには違いが見られます。
1. 試合概要および両チームの現状
エクセルシオルは得失点差で上回り7位、フローニンゲンは8位につけています。今季の勝敗数と総得点は同じで、失点数で4点差がついています。また、ホーム・アウェイ別の成績を見るとさらなる違いが浮かび上がります。
今季リーグ戦成績 全体: エクセルシオル 3勝2分け2敗・15得点9失点 / フローニンゲン 3勝2分け2敗・15得点13失点 ホーム: エクセルシオル 1勝2敗・4得点5失点 / フローニンゲン 2勝1分け1敗・9得点6失点 アウェイ: エクセルシオル 2勝2分け・11得点4失点 / フローニンゲン 1勝1分け1敗・6得点7失点
エクセルシオルはアウェイ4試合で無敗を維持している一方、ホームでは3試合中2試合で敗れています。対するフローニンゲンはアウェイ3試合で7失点を喫しています。もっとも、それぞれ3〜4試合にすぎないスタッツだけで今回の勝敗を決めることはできません。ただし、エクセルシオルがホームでボールを長く保持したユトレヒト戦では、56%のポゼッションを記録しながらもシュート数と枠内シュート数でいずれも下回りました。一方のフローニンゲンはフォルトゥナ・シッタールト戦で支配率68%を記録したものの、相手のロングボールとカウンターから3失点を喫しています。どちらが主導権を握り、どちらが奪った後に素早く前に運ぶのかが、順位以上に重要なポイントとなります。
直近の結果を振り返っても、内容には違いがあります。エクセルシオルは3試合勝利から遠ざかっていますが、NECナイメヘン戦では逆転した後にアディショナルタイムの同点弾を許し、AFCアヤックス戦では先制からわずか2分で追いつかれました。ユトレヒト戦でも後半に同点へ追いついたものの、アディショナルタイムのバックパスのミスから敗戦を喫しています。攻撃面では3試合で5ゴールを挙げるなど力を保っているものの、リードを守り切る過程で勝点を取りこぼしてきました。デン・アイル監督はNEC戦終盤の失点について疲労の影響を挙げましたが、当時は過密日程だっただけに、3週間のブレイクを経た現在も同じ疲労を失点要因と考えるのは早計でしょう。
フローニンゲンは3試合負けなしですが、そのうち2試合はリードしながら追いつかれた引き分けです。直近のPECズヴォレ戦での3-0の勝利では、マルコ・レンテがセンターバックに復帰し、前節まで続いていたリーグ戦11試合連続失点を止めました。守備陣の復調は好材料ですが、対戦相手が当時16位だったこと、そしてクリーンシートを達成した守備陣の左サイドが今節は入れ替わる可能性がある点には注意が必要です。1試合無失点に抑えたからといって、中位クラスを相手にしたアウェイ戦の守備まで安定したと判断するには材料不足です。
エクセルシオルのノア・ナウヨクスは、開幕戦の2ゴール後に負傷離脱が続いています。その間はイラクリ・エゴイアン、ダビド・ガーデン、アイメン・スリティが攻撃を牽引してきました。エゴイアンは今季リーグ戦7試合で2ゴール4アシストを記録し、チーム総得点15点のうち6点に直接絡む活躍を見せています。左サイドバックのシモン・ヤンセンは怪我から復帰してアヤックス戦に先発し、今節の先発予想にも名を連ねています。ヤンセンが不在の場合は同ポジションの選択肢が限られるだけに、今季3アシストを記録しコーナーキックも担当する彼の存在は大きいです。
フローニンゲンはエルヴィス・ファン・デル・ラーンとタイリーク・メルセラがまだ復帰できておらず、トラヴィス・ハーンスも今回の遠征には帯同しません。ただ、いずれも今季の出場時間が少なかった選手たちであり、主軸を欠くような状況ではありません。より重要なのは左サイドバックの起用法です。ハンス・ハテブールは今季わずか23分しかプレーしておらず、マルク・ツィンガーは代表戦で11日間に4試合をこなしました。ディック・ルッキエン監督は、試合で求められる役割を見極めて先発を選ぶと明かしています。怪我から戻ったヴァウター・プリンスもベンチ入りの見込みです。
ルッキエン監督は4-2-3-1のフォーメーションと主力を長く固定してきました。レンテが復帰したズヴォレ戦では、右サイドのヨルグ・スフライデルスとダヴィド・ファン・デル・ヴェルフを経由し、トム・ファン・ベルヘンがゴールを奪いました。対するデン・アイル監督は、相手に応じて守備の人数を調整し、交代カードでゴールをこじ開けてきました。スパルタ・ロッテルダム戦の決勝点やNEC戦の逆転ゴールには、途中出場の選手が直接絡んでいます。スターティングメンバーの配置と後半の選手交代の双方が、この対決の鍵を握るでしょう。
昨季の直接対決2試合はいずれもアウェイチームが勝利を収めました。フローニンゲンが2025年12月にロッテルダムで2-0と快勝し、エクセルシオルは2026年5月に敵地フローニンゲンで3-2と競り勝っています。5月の対戦では両チームともにファーサイドへのコーナーキックからヘディングで得点を奪っており、エクセルシオルの決勝点はフローニンゲンが前がかりになった隙を突いたカウンターから生まれました。当時フローニンゲンで得点したユネス・タハや、エクセルシオルの後半の得点者たちは現在同じ前線のユニットを組んでいません。残留争いや欧州カップ戦プレーオフを争っていた順位状況も異なります。今回の対戦で参考とすべきは勝敗そのものよりも、セットプレーの攻防や追いかける展開で生まれた攻撃の形です。
両チームともに次節のリーグ戦まで6〜7日の間隔があるため、主力を温存する日程上の理由はほぼありません。フローニンゲンは代表組が多く、チーム全体でトレーニングできた期間は試合前のわずか3日間でした。また、試合時間帯のロッテルダムは雨よりも突風が予報されています。風が実際に強まれば、ロングボールや高い弾道のコーナーキックの精度に影響が出る可能性があります。
2. マッチアップ分析
エクセルシオルが最も積極的に仕掛けるのは、フローニンゲンの左サイドになるでしょう。エゴイアンはひとつのサイドに固定されません。ヴィレムII戦では左サイドからディフェンダーをかわして低いパスでガーデンのゴールをお膳立てし、アヤックス戦では右サイドへ進出してスリティのファーサイド弾につながる鋭いグラウンダークロスを供給しました。今節で彼が右に回れば、ハテブールかツィンガーが務めるフローニンゲンの左サイドバックと対峙します。どちらが先発しても、実戦勘の不足や過密日程によるコンディション面の影響はピッチ上で確認する必要があります。
フローニンゲンの左ウイング、ヤコブ・オンドレイカは、ズヴォレ戦では右サイドの選手たちほど攻撃に関与できませんでした。フローニンゲンが右のスフライデルスやファン・デル・ヴェルフにボールを集めるなかでロストした場合、エクセルシオルはエゴイアンのサイドへ素早く展開できます。エリック・ダ・シルヴァ・モレイラが右サイドから連動して上がれば、フローニンゲン左サイドの守備陣にかかる負荷はさらに増すはずです。フローニンゲンのティカ・デ・ヨンゲやペレ・クレメントがエゴイアンへの出し手を封じ込められれば、左サイドバックが1対1を強いられる回数は減らせるでしょう。
逆サイドでは、フローニンゲンがエクセルシオルのヤンセンの背後を狙います。ヤンセンは攻撃参加に積極的で今季すでに3アシストを記録しています。彼が攻め上がった後にフローニンゲンがボールを奪えば、レンテのロングフィードやスフライデルス、ファン・デル・ヴェルフの右サイドの連係からそのスペースを陥れることが可能です。ズヴォレ戦の先制点も、レンテのパスを起点に右サイドを経由してファン・ベルヘンが決めた形でした。エクセルシオルがヤンセンの攻撃力を活かしつつこのルートを封じるには、後方のカバーリングが極めて重要になります。デン・アイル監督がリック・メイセンを守備ラインに落として人数を増やす手もありますが、そのぶん中盤でエゴイアンの攻め上がりをサポートする人員は削られます。
センターバックの構成も、前節までの内容をそのまま当てはめられない要因です。フローニンゲンはフォルトゥナ・シッタールト戦で後方からのロングフィードを受けた相手アタッカーを止められず、追い上げのために前がかりになった後もカウンターから失点を重ねました。当時のセンターバックはツィンガーとタイメン・ブロックゼイルでした。今節は復帰したレンテがブロックゼイルの横に入る可能性が高いと見られます。レンテがエクセルシオルのロングパスを跳ね返しつつビルドアップの起点になれるかは、ズヴォレ戦より手強い相手を迎える今節の注目点です。エクセルシオルもファン・ガッセルのロングキックからエゴイアンを走らせて得点した実績がありますが、予報されている突風のなかで同様の精度を保てるかはピッチの状況次第となります。
サイド攻撃が手詰まりになった場合、勝負を分けるのはセットプレーです。エクセルシオルはスパルタ・ロッテルダム戦の2ゴールをいずれもコーナーキックの流れから決め、ヴィレムII戦ではヤンセンのコーナーキックをメイセンが頭で合わせました。フローニンゲンも前回の5月の対戦で、デ・ヨンゲがファーサイドのヘディングでネットを揺らしています。両チームともにその試合では同じゾーンの守備で隙を見せました。もっとも、エクセルシオルがアヤックス戦のように敵陣に押し込めない展開が続けば、セットプレーの獲得自体が減ってしまいます。風が高く浮かせたボールを乱すようなら、ズヴォレ戦でフローニンゲンが決めたようなショートFKなどのバリエーションが有効に働くかもしれません。
先制点が生まれた後は、両指揮官の采配がサイドの攻防を塗り替えます。エクセルシオルがリードを奪えば、フローニンゲンは60分前後に前線の枚数を増やして反撃に出るでしょう。その段階で左サイドバックの交代まで余儀なくされれば、エゴイアンが突くサイドの力関係は再び変化します。逆にフローニンゲンがリードした場合、デン・アイル監督はベンチから攻撃的なカードを切ってプレッシャーを強めるはずですが、ヤンセンの背後のスペース管理と相手のロングボールには警戒を怠れません。両チームとも直近の試合でリードを守り切れずに引き分けた経験を持っています。ただ、失点した時間帯やシチュエーションは異なるため、過去の結果だけで後半の失点を必然と捉えるべきではありません。
3. 最終判断および結論
エクセルシオルが僅差で勝利を収めると予想します。両チームともに相手のサイドを突く明確なルートを持っていますが、フローニンゲンの左サイドは先発候補の実戦ブランクや代表遠征、控え候補の怪我明けといった不安材料が重なっています。エゴイアンは今季エクセルシオルで最も得点に絡んでおり、右サイドからも決定的なラストパスを供給しています。フローニンゲンの右サイドからの攻撃はヤンセンの裏を突ける脅威があるものの、デン・アイル監督には守備の枚数を増やしてそのスペースを消す選択肢があります。
市場オッズでは、両者の勝点が並んでいること、エクセルシオルのホーム成績が振るわないこと、フローニンゲンの直近の無敗と主力の復帰が考慮され、互角の評価が下されています。しかし、復帰組が多いとはいえフローニンゲンの左サイドが安定したとは言い難い点にズレがあります。エクセルシオルは勝ち切れない試合が続いているものの、サイドからの前進とセットプレーによる得点パターンは機能し続けています。フローニンゲンはレンテの復帰で右からの攻撃の組み立てを取り戻したとはいえ、チーム全員での調整期間はわずか3日でした。これらの条件を踏まえると、ホームチームにやや分があると見ます。
予想スコアはホーム側から見て2-1、もしくは3-1。2-1の決着が最も有力です。エクセルシオルがエゴイアンの右からの仕掛けで先制し、フローニンゲンが前がかりになった背後を再び突く展開を想定しています。フローニンゲンもスフライデルスとファン・デル・ヴェルフの連係や後半のセットプレーから1点を返す道筋は十分にあります。エクセルシオルの終盤の守備対応を考慮すると1点差のゲームが濃厚ですが、フローニンゲンが追撃の過程で左サイドバックまで交代し、そのサイドを崩されて追加点を奪われれば3-1までスコアが開く可能性もあります。ただし、フローニンゲンの左サイドがエゴイアンを抑え込み、デ・ヨンゲとクレメントが配給元を素早く潰すことができれば、ホーム優勢のシナリオは崩れることになります。