【2026 米国MLS】ニューヨーク・レッドブルズ vs トロントFC 分析プレビュー キックオフ:10月18日 08:30(日本時間)
ニューヨーク・レッドブルズとトロントFCが日本時間10月18日午前8時30分、米ニュージャージー州ハリソンのスポーツ・イラストレイテッド・スタジアムでメジャーリーグサッカー(MLS)のレギュラーシーズンを戦います。東カンファレンスのプレーオフ進出を争う両チームの勝ち点差はわずか3です。ホームで順位を死守したいレッドブルズに対し、トロントFCはアウェイで追撃のチャンスをものにしなければなりません。
1. 試合概要および両チームの現状
10月16日のデータセンター順位表によると、レッドブルズは29試合で10勝6分13敗、勝ち点36の東カンファレンス8位につけています。勝ち点で並ぶ9位のFCシンシナティは消化試合数が1試合少ない状況です。一方のトロントFCは29試合で7勝12分10敗、勝ち点33の11位となっています。トロントFCは勝利数でもシンシナティを追う必要があります。残るレギュラーシーズン5試合のうち4試合がアウェイゲームとなるだけに、今節で勝ち点差を縮められなければ負担が一気に重くなります。ロビン・フレイザー監督が「絶対に勝たなければならない試合」と位置づけるのもそのためです。
項目 東カンファレンス順位・勝ち点:ニューヨーク・レッドブルズ 8位・36 / トロントFC 11位・33 シーズン得点・失点:ニューヨーク・レッドブルズ 39得点・54失点 / トロントFC 44得点・55失点 直近公式戦10試合:ニューヨーク・レッドブルズ 3勝2分5敗 / トロントFC 3勝4分3敗 直近ホーム・アウェイ各10試合:ニューヨーク・レッドブルズ(ホーム)3勝2分5敗 / トロントFC(アウェイ)1勝3分6敗
順位だけを見ればレッドブルズが優位に見えますが、近頃のホーム成績は決して優勢を保証するものではありません。直近のホーム10試合でクリーンシートはなく、4試合で無得点に終わっています。直近のホーム5試合で勝利した相手もサンディエゴFCのみです。対するトロントFCも、直近のアウェイ10試合でわずか7得点にとどまっています。アウェイでの3連敗はいずれも前半に先制を許しており、3試合合計で1得点しか奪えていません。レッドブルズのホームでの守備難とトロントFCのアウェイでの攻撃力不足、どちらの問題がより色濃く出るかが焦点となります。
レッドブルズの最近の復調ぶりも、慎重に見極める必要があります。9月にはコロンバス・クルーとニューヨーク・シティFCのアウェイ戦をそれぞれ1-0で制したものの、どちらの試合も相手が決定機を作りながら決めきれなかった場面がありました。サンディエゴFCを4-1で破った一戦は攻撃の成果が明確でした。ロナルド・ドンコーが右サイドへ前進するパスを送り、ホルヘ・ルバルカバがゴール前へ折り返してジュリアン・ホールが沈めました。しかしその3日後に行われたD.C.ユナイテッド戦では、前半にPKとコーナーキックから2失点を喫して1-2で敗戦。相手DFの退場で20分以上にわたり数的優位に立ちながらも、同点ゴールを奪えませんでした。
ホールは今季11ゴール、ルバルカバは8ゴールを挙げており、レッドブルズの得点源として大きな役割を担っています。ドンコーは彼らへの配給役にとどまらず、自らペナルティエリアへ侵入する強みを持っています。ただ、D.C.ユナイテッド戦で左足に違和感を訴えて途中交代しており、トロントFC戦への出場は不透明です。ドンコーが欠場する場合、セク・コネが中盤に入るか、エミル・フォルスベリが低めの位置まで下がってビルドアップを担う可能性があります。いずれにせよ、ドンコーが推進力のある縦パスとエリア内への飛び出しの両方を担っていた右サイドの攻撃には変化が生じることになります。
トロントFCはホームで粘り強い追撃力と逆転劇を見せてきました。CFモントリオール戦ではアディショナルタイムに2ゴールを奪って2-1の逆転勝利を収め、オーランド・シティSC戦では2度のリードから逆転を許したものの、90分に追いついて3-3のドローに持ち込みました。テオ・コルベアヌの右サイドからのクロスは、最近のホームでの大きな得点ルートとなっています。オーランド・シティ戦ではルイス・モーガンの先制点をアシストし、自らもネットを揺らしました。しかしその試合でも3失点を喫しています。13試合連続で失点が続いている守備の課題は、アウェイではいっそう重い足枷となります。
守備陣の顔ぶれも変わります。キャプテンを務める右サイドバックのリッチー・ラリアとセンターバックのベンハミン・クシュチェヴィッチが出場停止で、センターバックのウォーカー・ジマーマンは足首の負傷で欠場します。ラリアは右サイドから後方のボールを攻撃へとつなぐ起点であり、クシュチェヴィッチとジマーマンは中央守備の主軸コンビでした。フレイザー監督は代役としてコービー・フランクリン、ゼイン・モンルイ、ニックソン・ゴミスらを挙げています。ジョナサン・オソリオが出場停止から復帰するのは中盤にとって好材料ですが、最終ラインからのファーストパスやクロスへの対応は急造セットで臨まなければなりません。
直接対決の戦績はレッドブルズが大きくリードしています。レッドブルズはトロントFC相手に14試合負けなし、このスタジアムでは8連勝中と圧倒しています。ただ、その記録の多くは両指揮官の就任前のものです。マイケル・ブラッドリー監督とフレイザー監督が激突した今年3月の試合は、トロントFCのホームで1-1の引き分けに終わりました。ダニエル・シャッロイのカウンターでトロントFCが先制したものの、レッドブルズがコーナーキックからの混戦を突いてエリック・マキシム・シュポ=モティングのアディショナルタイム弾で追いつきました。当時のトロントFCはGKルカ・ガブランのビッグセーブ連発で耐え抜いていました。今回は舞台が変わり、トロントFCはラリアらDF陣の主力を3人欠く布陣となります。
両チームとも日本時間10月15日に直前節を戦っており、休養の間隔は同じです。レッドブルズはアウェイからホームへ戻り、トロントFCはホーム戦のあとにハリソンへ遠征してきました。米国立気象局の10月16日時点の予報では、キックオフ時の気温は約9℃、降水確率は0%と予想されています。天候以上に、戦力のやりくりや両チームのホーム・アウェイ成績の差が試合展開に直接影響しそうです。
2. マッチアップ分析
ブラッドリー監督率いるレッドブルズは、ボールを持つ相手に対して高い位置からプレッシャーをかけます。ボールサイドのウイングが内側へ絞って相手センターバックのパスコースを制限し、セントラルMFが前へ出てパスの受け手を潰す形をとります。トロントFCが自陣でボールを長く持てば、急造の守備陣がプレッシャーを受けながらファーストパスを出さざるを得ません。9月のナッシュビルSCとのアウェイ戦はまさに似た布陣で臨んだ試合でした。ゴミスのクリアミスから16分に先制点を献上し、トロントFCが相手ペナルティエリア内でボールに触れた回数はわずか11回にとどまりました。あの1試合だけで今回を決めつけることはできませんが、ハイプレスをかわせないときに攻撃まで手詰まりとなる典型例と言えます。
一方でトロントFCがうまくファーストパスを通せれば、同じハイプレスがレッドブルズにとって仇となります。レッドブルズのウイングがセンターバックへ寄せた後、手薄になったサイドバックへパスを逃がすスペースが生まれやすくなるからです。トロントFCの右サイドバックが前を向いてボールを受けられればコルベアヌへつなぐことができ、コルベアヌの精度の高いクロスからモーガンを狙えます。中央ではジョシュ・サージェントが下がってボールを引き出し、周囲へ展開することも可能です。レッドブルズの中盤とディフェンスラインがプレスをかけに前がかりになっていれば、その背後のスペースを突くチャンスが生まれます。フレイザー監督も対レッドブルズ戦では「事前にパスの選択肢を作り、素早く動かすこと」の重要性を強調していました。
問題は、その設計図をピッチ上で遂行する右サイドバックがラリアではないという点です。ラリアはCFモントリオール戦のアディショナルタイム2ゴールにいずれも関与し、右サイドから攻撃へ転じるリンクマンとして機能していました。代役としてフランクリンが入る場合、コルベアヌへボールを届ける役割とレッドブルズの激しいプレスをかわすタスクの両方をこなさなければなりません。トロントFCがファーストパスを躊躇したり、自陣ゴール方向へ不用意に下げたりすれば、レッドブルズは高い位置でボールを刈り取って決定機を迎えます。逆にフランクリンや中盤がプレスをいなせれば、前に出たレッドブルズの背後へ一気に攻め込めます。
レッドブルズのボール保持時は、ドンコーの出場可否が右サイドの攻撃の質を大きく左右します。ドンコーが出場できれば、ルバルカバへの鋭い縦パスとホールの鋭い飛び出しがセットで期待できます。サンディエゴFC戦の先制点のように、ルバルカバが右サイドからゴール前へ送り込めば、ホールはセンターバックの対応しにくい位置で仕留められます。ただし、このサイドと対峙するトロントFCのDFマテウス・ペレイラとシャッロイは離脱していません。そのため、レッドブルズが右サイドで常に主導権を握り続けられるとは言い切れない側面もあります。
もしサイド攻撃が阻まれたとしても、レッドブルズにはセットプレーという強力な武器があります。ケイド・カウエルのコーナーキックは、サンディエゴFC戦でのデビン・パドルフォードのヘディングゴールを演出しました。今年3月の対決で生まれた同点弾も、トロントFCがコーナーキックのこぼれ球をクリアしきれなかったところからでした。今回はクシュチェヴィッチとジマーマンがともに不在で、ゴミスやモンルイらがエリア内を死守しなければなりません。ナッシュビルSC戦ではゴミスの不十分なクリアから相手のクロスとヘディングを許して失点しました。トロントFCとしては、コーナーキックからの一発目だけでなく、そのセカンドボールへの対応まで集中を保てるかが試されます。ガブランは3月の直接対決やナッシュビル戦で好セーブを見せましたが、フィールドプレーヤーが処理すべき局面までキーパー一人でカバーすることは不可能です。
レッドブルズ側もセットプレーには不安を残しています。D.C.ユナイテッド戦での前半2失点はPKとコーナーキックからでした。トロントFCにはコルベアヌのピンポイントクロスとアロンソ・コエジョの精度の高いキックがあります。昨シーズンの直接対決でも、コルベアヌがコエジョのコーナーキックを頭で合わせてゴールを奪いました。レッドブルズがハイプレスとセットプレーでチャンスを量産したとしても、自陣でのロストやセットプレーの守備ミスがあればトロントFCにも十分に得点機会が巡ってきます。直近のホーム10試合で1度もクリーンシートを達成できていないデータは、このリスクの大きさを物語っています。
後半の試合運びは、両チームの勝ち点状況によって変化していく公算が大きいです。同点の時間帯が長く続けば、トロントFCは9位との差を詰めるために前線の枚数を増やす動機があります。フレイザー監督は最近のホームゲームでも60分前後に攻撃的なカードを切り、ジョルジェ・ミハイロヴィッチは途中出場から得点に絡む働きを見せました。一方のレッドブルズにも、3月の直接対決のアディショナルタイムや直近のD.C.ユナイテッド戦でベンチから結果を出しているシュポ=モティングが控えています。トロントFCが勝ち点3を狙って前がかりになり、DFの背後に広大なスペースを空ければ、レッドブルズが追加点を仕留める絶好の展開となります。ただし、レッドブルズが先に失点を喫してリスクを冒す形になれば、自陣でのボールロストから致命的な追加点を奪われてきた悪癖が再び顔を覗かせる危険があります。
3. 最終判断および結論
私たちはニューヨーク・レッドブルズの勝利の可能性が高いと予想します。敵地で強烈なプレスを受けるトロントFCは急造の守備陣でファーストパスを捌かねばならず、クシュチェヴィッチとジマーマンを欠くペナルティエリア内ではレッドブルズのセットプレーも防がなければなりません。トロントFCは直近のアウェイ3連敗でいずれも前半に先制を許し、そのまま試合を立て直せませんでした。両チームにとってドローの意味合いが異なるため、トロントFCがビハインドで後半を迎えれば攻撃の駒を増やして攻めに出てくる可能性が高いと見ます。そうなれば、レッドブルズの途中出場のアタッカー陣がその背後を突く展開が濃厚です。
市場のオッズもトロントFC守備陣の離脱とアウェイでの不振を織り込み、レッドブルズ優勢に傾いています。見解が分かれるのは、トロントFCが先制した場合の結末です。トロントFCは直近の試合でもリードを守りきれずに勝ち点を落としており、今年3月のレッドブルズ戦でもコーナーキックからアディショナルタイムに被弾して追いつかれました。レッドブルズにはその時ゴールを決めたシュポ=モティングが依然として控えています。さらにラリアの欠場によって、トロントFCが先制点を生み出すための右サイドのビルドアップ力も落ちています。そのため、仮にトロントFCが先行したとしても、そのリードを最後まで守り抜いて勝ち切る可能性は市場の評価よりも低いと私たちは判断します。
予想スコアはニューヨーク・レッドブルズから見て3-1です。レッドブルズが序盤のハイプレスによるボール奪取やコーナーキックから先手を取り、追いかけるトロントFCの背後を突いて後半に追加点を重ねるシナリオを描いています。トロントFC側にもコルベアヌのクロスやセットプレーから1点を返す道筋は残されています。ただし、トロントFCが序盤のプレスを的確なファーストパスで外しきって先に試合を動かすか、ビハインドを背負っても守備のバランスを崩さずにスペースを消し続けた場合には、想定した点差から変動する余地はあります。