バンクーバー・ホワイトキャップス (アメリカ)は数字の上では西地区最強ですが、今週ピッチに立つのはその成績を築き上げたメンバーとは異なります。中盤のフィルター役を欠き、アタッカー2人も不在で、すでに首位のシード権も確保済みです。一方のシアトル・サウンダーズは結果を求めて乗り込んできますが、その攻撃の大半は後半に集中しています。試合展開としては、バンクーバーが序盤を支配し、終盤に守勢に回る形になりそうです。
フル戦力のバンクーバーはハイプレスをかけ、ボールを保持しつつ、空中戦でブライアン・ホワイトを活かして仕留め、ラボルダがセットプレーで脅威を加えます。ただ、最終ラインの前で防波堤となるクーバスがいないと弱点が露呈します。ツヴェトコヴィッチとララズが中盤を組んだ直近の試合では、ホームのBCプレイスでサンディエゴに20本ものシュートを打たれ、うち7本が枠内に飛びました。スコアこそ4-1でしたが、打たれたシュート数は別の実態を物語っており、その勝利に貢献したエルミも現在は出場停止です。
鍵を握るマッチアップは、薄くなったバンクーバーのフィルターに対し、ライン間で仕掛けるシアトルのチャンスメーカー、ルスナークとクリスティアン・ロルダンです。ルスナークはヒューストン戦で6本のキーパスを記録しました。バンクーバーの最大の対抗手段は空中戦にあり、ゴメス・アンドラーデを欠くシアトルの最終ラインに対してホワイトとラボルダが挑みます。シアトルは前節もコーナーキックのセカンドボールから失点しています。GKでは高丘陽平が好セーブを連発しており、シアトルが大量得点ではなく1点勝負の展開になる主な要因となっています。
離脱者の多さが試合全体を左右します。バンクーバーはクーバスやサッビをはじめ複数選手が欠場し、ミュラーも途中出場で復帰したばかりです。ミュラー抜きの攻撃陣は、サンディエゴ戦で勝つ前の4試合で1得点、無得点、2得点、無得点と沈んでいました。対するシアトルは、キングストンが出場停止ではないため出場可能で、ロスロックも起用できます。
予想される試合の流れは、前半はバンクーバーがボールを握り、シアトルが深く構える静かな展開です。シアトルのここ3試合の前半xGは極めてわずかでした。しかしハーフタイムを境に一変します。同3試合の後半xGはいずれも1を大きく上回っており、60分前後の交代(モリス、アリオラ、キングストン)を機に、無理に攻めず試合をコントロールしたいはずのホームチームへ圧力をかけてくるでしょう。
だからこそ、私はシアトルが負けない展開を支持します。60分の時点で同点となり、すでに被シュートがかさんでいる相手のフィルターに対してシアトルのベンチ陣が投入される、この試合はそのような展開を示唆しています。