お互いの守備の脆さが、相手の得意な攻撃パターンと噛み合ってしまう顔合わせです。オリンピック・リヨンは今季記録されたホーム戦すべてで多くのチャンスを作り出しており、ピッチのいたるところから得点が生まれています。一方、サージュ監督率いるクリスタル・パレスはハイプレスを仕掛けるものの、直近の試合の大半で大量の決定機を作られてきました。また両チームとも、相手のミスに頼らずともゴールをこじ開けられるルートを持っています。
リヨンの強みはホームでの攻撃力です。本拠地でのゴール期待値(xG)は1.75から3.13を記録しており、ウイングや攻撃参加するサイドバック、走り込むMF陣からゴールが生まれています。オペンダの欠場により裏へ抜けるスプリンターは失われますが、リヨンのホームでの攻撃の起点そのものが失われるわけではないため、この厚みは大きな意味を持ちます。対するパレスは、ノッティンガム戦で約3点分のゴール期待値と24本のシュートを許したほか、イプスウィッチ戦やレフ戦でも大きなピンチを重ねてきました。
鍵を握るマッチアップは、アテカメのオーバーラップを伴うヌアマらリヨンのサイドの仕掛けと、パレスのウイングバックとの攻防です。ノッティンガムはパレスの逆サイドを何度も攻略し、ハライリの不用意なバックヘッドも重なって得点を奪いました。逆方向の展開では、ウォートンや鎌田、中盤からの飛び出しを活かしたパレスのプレスが、ランス戦で前がかりになりすぎたと自認していたリヨンの中盤に襲いかかります。高い位置でボールを奪えれば、ショートカウンターからピノやストランド・ラーセンへと繋がるはずです。
今回の欠場者は攻撃陣よりも最終ラインに大きく影響しています。リヨンはタグリアフィコを欠き、空中戦で最も頼りになるCBニアカテもおそらく不在となるため、ウォートンの正確なCKにリチャーズやディサシが飛び込む形はパレスにとって有力な得点ルートになります。パレスの離脱者は未登録選手や長期離脱者にとどまっており、サージュ監督も残りのメンバーは全員起用可能でターンオーバーは行わないと明言しているため、パレスのプレスとセットプレーの精度は万全の状態で発揮される見込みです。
立ち上がりの20分間は、パレスがプレスを掛け、リヨンがそれをかいくぐろうとするオープンな展開が予想されます。リヨンはホームの前半で2点リードを奪う展開が多く、パレスは前半に決定機を作られやすい傾向があります。どちらが先制しても試合はオープンなまま進むでしょう。リヨンがリードすればパレスはプレスを緩めず背後にスペースを晒すことになり、パレスが先行すればリヨンはオペンダ不在の中で前がかりにならざるを得ず、ピノのカウンターの餌食になるリスクを背負います。
控えめなスコアを予想させる材料としてはリヨンのアウェー戦や、リーズでのパレスの引き分けくらいしかありませんが、今回の舞台でも相手でもありません。両チームともに直近10試合中6試合で3ゴール以上が生まれています。だからこそ私はこの試合でゴール数を狙う側に回りたいと思います。お互いの攻撃陣が相手守備陣の弱点を突き合う、オープンな打ち合いが期待できます。