[26-27 イタリア セリエA] アタランタBC vs フロジノーネ・カルチョ分析プレビュー 試合開始: 10月25日 23:00 (日本時間)
アタランタBCとフロジノーネ・カルチョが日本時間10月25日23時、ベルガモのニューバランス・アリーナで2026-27シーズンのセリエA (イタリア)第8節を戦います。アウェイで2連敗を喫したアタランタは、ホームで上位半分への復帰を目指し、昇格組のフロジノーネは6位の座を守りたいところです。順位はフロジノーネのほうが上ですが、勝負の行方はアタランタの後方からのビルドアップと、フロジノーネのプレスが激突する局面で決まる可能性が高いと見ています。
1. 試合概要および両チームの現状
アタランタはリーグ戦7試合で3勝4敗、勝ち点9の11位につけています。一方のフロジノーネは4勝1分け2敗、勝ち点13で6位です。アタランタは勝てば勝ち点12となり、上位半分への浮上を狙えます。フロジノーネのマッシミリアーノ・アルヴィーニ監督はチームの目標をセリエA残留と公言しているものの、現在の調子を維持できれば上位争いも視野に入ります。
今季セリエA 7試合 試合結果: アタランタ 3勝0分け4敗 / フロジノーネ 4勝1分け2敗 得点・失点: アタランタ 10・11 / フロジノーネ 13・9 順位・勝ち点: アタランタ 11位・9 / フロジノーネ 6位・13
アタランタの直近の公式戦10試合は5勝5敗、14得点14失点となっています。そのうちホーム5試合は4勝1敗と勝ち越していますが、アウェイ5試合は1勝4敗に終わりました。このホーム成績をそのまま今回の優位の根拠とするのは早計です。ホームで破った相手はサッスオーロ、ボローニャ、ヴェネツィア、そしてカンファレンスリーグのパフォスであり、ローマ、ユヴェントス、ACミラン、アヤックスと対峙したアウェイ戦はいずれも敗れました。ボローニャ戦もシュート数6対16と押し込まれながら、後半アディショナルタイムにラザル・サマルジッチのミドルシュートで1-0の勝利をもぎ取った内容でした。
最近の攻撃陣には変化が見られます。マウリツィオ・サッリ監督は、シーズン序盤に重用した4-3-3から4-2-3-1へとスタート時のシステムを変更しました。アタランタの9月代表ウィーク前における公式戦4試合の1試合平均ゴール期待値は0.80でしたが、中断明けの4試合では2.04へと跳ね上がっています。この後半の期間にはヴェネツィアやパフォスが含まれているため、増加分のすべてをシステム変更の恩恵と結論づけることはできません。それでもACミラン戦ではゴール期待値1.65を記録し、0-3から2-3まで追い上げを見せました。決定機を創出する力は残っているものの、中断明けの4試合で7失点を喫するなど、守備の課題も依然として続いています。
フロジノーネの最近のリーグ戦は、前半の得点が牽引しています。7試合で挙げた13得点のうち10得点が前半に生まれ、前半をリードして終えた5試合は4勝1分けでした。アントニオ・ライモンドはリーグ戦7ゴールで得点ランキング首位に立っています。ただ、この7ゴールは3試合に集中している点には注意が必要です。ライモンドが沈黙した場面では、左サイドから仕掛けるクヴェルナゼや、2列目から飛び出すジャコモ・カロらが攻撃を補ってきました。前節のサッスオーロ戦では高い位置でボールを奪って先制点を挙げ、ライモンドのハットトリックで4-2の勝利を収めています。
もっとも、フロジノーネの6位という順位が守備の安定を意味しているわけではありません。データセンターでゴール期待値が算出されている今季リーグ戦5試合において、フロジノーネは全試合で1.88以上の被ゴール期待値を許しています。合計の被ゴール期待値は11.21に上りますが、実際の失点は8にとどまっています。コモ戦でのロレンツォ・パルミサーニの7つのセーブや、ジェノア戦で相手がPKを失敗した場面のように、失点を抑えられた幸運なシーンもありました。アタランタもまた、ゴール期待値のあるリーグ戦6試合で1試合平均1.95の被ゴール期待値を記録しています。両チームで対象となった試合数が異なるため合計の単純比較はできませんが、どちらも相手の決定機を安定して防ぎ切れている守備とは言えません。
スカッドの陣容と休養期間の面では、フロジノーネが有利な状況にあります。アタランタは現地時間10月22日の夜にアウェイでのアヤックス戦を戦ったばかりで、約67時間の間隔で今節に臨むことになります。スカルヴィーニ、コスヌ、ヒエン、コラシナツが離脱しており、センターバックはトーマス・クリステンセンとレリャ・オブリッチが組む見込みです。2人が揃って先発したのはアヤックス戦の1試合しかありません。本職のセンターバックの控えとなるトップチームの選手も不在です。さらにケシエとラスパドーリの欠場は、中盤の構成や試合中のシステム変更の選択肢にも影を落とします。対するフロジノーネはサッスオーロ戦から中9日の休養を取っており、今回の招集外もレギュラー格ではないグリリッチだけです。
直近の対戦成績から現在の力関係を測るのも困難です。2023-24シーズンはフロジノーネがホームで2-1と勝利し、アタランタはベルガモで5-0と圧倒しました。しかし当時の両チームの指揮官やメンバーは現在と異なります。2試合とも前半25分以内にどちらかのチームが2点リードを奪ったという事実は立ち上がりに注目すべき理由にはなりますが、その結果がそのまま今節のスコア予想の材料になるわけではありません。
2. マッチアップ分析
サッリ監督はボールを保持し、後方から攻撃を組み立てようとします。フロジノーネは相手がショートパスで繋いでくる局面で高い位置からプレスをかけ、ボールを奪えば素早くフィニッシュへと持ち込みます。サッスオーロ戦の先制点では、パトリツィオ・マジーニが相手ペナルティエリア付近でボールを奪取し、カロが仕留めました。アタランタも今季、ボローニャ、ユヴェントス、ACミランのハイプレスを受けた際にビルドアップを寸断される場面が見られました。今回はセンターバックの主力陣が不在のなか、クリステンセンとオブリッチが起点となるパスを配給しなければなりません。
プレスの成否はセンターバックの2人だけで決まるものではありません。エデルソンやガエターノ、あるいはパシャリッチがセンターバックの近くまで下りてパスを引き出し前進させることができれば、アタランタはフロジノーネの中盤の背後に位置するデ・ケーテラーレへとボールを預けられます。そこからロウやエルマスがディフェンスラインの裏を突き、ベッラノーヴァが右サイドから攻め上がることが可能になります。逆に中盤が受けるスペースを確保できなければ、センターバックが圧力を受けながら自ら縦パスを狙う形を強いられます。その場合、フロジノーネがボールを奪う位置はアタランタのゴールに極めて近くなります。サッリ監督が4-3-3で中盤の枚数を増やすのか、最近の4-2-3-1を維持するのかもこの攻防を左右するポイントです。
一方、フロジノーネがプレスをかいくぐられた際のリスクも小さくありません。アルヴィーニ監督は高い位置で対峙する場合、ピッチ全体で1対1の局面を受け入れざるを得ないと語ったことがあります。フロジノーネは今季ゴール期待値が集計されたリーグ戦5試合すべてで多くの決定機を相手に与えてきました。アタランタには右サイドから鋭いグラウンダーのボールを供給できるベッラノーヴァと、これに合わせられるクルストヴィッチが控えています。ACミラン戦の2点目もその連係から生まれました。デ・ケーテラーレをはじめとする2列目のタレントが高い守備ラインの背後へ走り込めば、フロジノーネのプレスはアタランタの決定機へと直結する恐れがあります。
反対側のサイドでは、ライモンドがアタランタの急造センターバック陣を脅かします。ライモンドはサイドからのクロスを頭で合わせる強さがあり、クヴェルナゼが左サイドを突破して送るラストパスにも鋭く反応します。オブリッチはアヤックス戦でロングボールを受けたアロコダレとの競り合いに敗れ、それが決勝点につながりました。フロジノーネがボールを回収した直後に素早くライモンドへ預ける展開になれば、クリステンセンとオブリッチは守備陣形を整える前に競り合いを強いられます。エデルソンが守備ラインの前でパスコースを制限できれば、この危険は軽減されるはずです。
ベッラノーヴァとクヴェルナゼの位置関係も連動しています。ベッラノーヴァが高い位置へ攻め上がればアタランタの右サイド攻撃に厚みが出ますが、その広大な背後はクヴェルナゼがカウンターを仕掛けるスペースとなります。クヴェルナゼがベッラノーヴァをケアするために後退を余儀なくされれば、フロジノーネの左サイドの仕掛けやライモンドへのマイナスのクロスは減少します。どちらのチームが先にこのサイドで相手を自陣深くへ押し下げられるかが、攻撃の頻度を左右することになるでしょう。
注目すべきマッチアップ 後方のビルドアップ vs 前線プレス: アタランタの狙いは2ボランチが最初のパスを受けて前進 / フロジノーネの狙いは高い位置でボールを奪い素早いショートカウンター 右サイド vs 左サイド: アタランタの狙いはベッラノーヴァの攻め上がりと低いクロス / フロジノーネの狙いはクヴェルナゼの打開とカウンター
試合が終盤までもつれた場合、コンディションの回復期間と選手層の違いが大きく響いてくる可能性があります。アタランタは直近の公式戦10試合で喫した14失点のうち、少なくとも5失点を85分以降に許しています。今節はアヤックス戦に先発したセンターバックや中盤の選手が再びフル稼働を求められる見込みですが、本職のセンターバックの交代要員がいません。対してフロジノーネはアレッシオ・ゼルビン、ビルリジェア、バプチェクら前線の交代カードを有効に投入できます。もっとも、フロジノーネの今季リーグ戦の後半得失点は3得点4失点にとどまっています。十分な休養があったという理由だけで、後半の得点面での優勢を即断することはできません。
3. 最終判断および結論
アタランタにはホームでゴールを奪うルートが確かに存在します。最近のシステム変更以降はチャンスの創出が増えており、フロジノーネは高い位置からプレスをかけるぶん、守備ラインの裏にスペースを与え続けてきました。しかし、フロジノーネにとってもアタランタの後方ビルドアップとセンターバックの急造コンビは狙い目です。双方の攻撃の強みを踏まえると、フロジノーネがまず試合を動かして先行し、アタランタが追いかけるものの、後半に再び失点を重ねる展開が最も有力であると判断します。
市場はアタランタのホーム成績やネームバリューを評価してアタランタ優勢と見ています。フロジノーネが相手に多くのチャンスを献上しているという見立ても、この試合に当てはまるでしょう。しかし見落とされがちなのは、アタランタの守備崩壊のリスクです。過去のベルガモでのクリーンシートや、フロジノーネが強豪相手に無得点に終わってきたデータは、今節の傷だらけの守備陣までは反映していません。休養十分のフロジノーネが前線から果敢にプレスを仕掛け、好調のライモンドが先発歴わずか1試合の急造CBコンビと対峙するという条件をより重視すべきです。
予想スコアはホームのアタランタ基準で1-3、または2-3と見ています。前半にフロジノーネが高い位置で奪ってライモンドへ繋ぎ先手を取り、アタランタはベッラノーヴァの右サイド突破や2列目からの飛び出しで反撃のゴールを狙う展開を想定します。アタランタがビハインドから前がかりになれば、クヴェルナゼがベッラノーヴァの裏を突くカウンターの好機を得るはずで、守備の交代要員が不足するアタランタは終盤の対応に苦慮するでしょう。もしサッリ監督が中盤の枚数を増やして第1パスを安定させ、アタランタが前半に先制点を奪う展開になればこのシナリオは崩れます。その場合は、攻めに出てくるフロジノーネの背後を突き、アタランタの2列目が追加点のチャンスを掴む可能性が高まります。