[26-27 UEL ヨーロッパリーグ] アララト=アルメニア vs AZアルクマール 分析プレビュー 試合開始: 10月23日 01:45 (日本時間)
アララト=アルメニアとAZアルクマールが、日本時間10月23日01時45分からエレバンのワスゲン・サルキシャン・アンラペタカン・スタジアムでUEFAヨーロッパリーグ リーグフェーズ第3節を戦います。アララト=アルメニアは初勝ち点獲得を狙い、AZアルクマールは上位24位以内への進出に必要な勝ち点を目指します。両チームにとって初の公式戦での顔合わせとなるこの一戦では、ホームチームがどの位置で守備ブロックを敷くのか、そしてアウェイチームがポゼッションの優位性をいかに得点へと結びつけられるかが注目点となります。
1. 試合概要および両チームの現状
アララト=アルメニアはアルメニアのクラブとして初めてヨーロッパリーグのリーグフェーズに進出したものの、ホームでスパルタ・プラハに1-4、アウェイでヤギエロニア・ビャウィストクに1-3で敗れました。2試合で7失点を喫し、34位にとどまっています。国内リーグでは10月18日にBKMAを1-0で破り、勝ち点23で2位をキープしました。国内では少ない失点で勝利を重ねてきたものの、欧州カップ戦では強力な対戦相手の攻撃を抑えきれずにいます。
AZアルクマールはサンダーランドへのアウェイ戦で0-1と敗れた後、ハポエル・ベエルシェバをホームで2-1と下し、勝ち点3の20位につけています。エールディヴィジでは9試合で勝ち点20を獲得し2位につけています。直近の公式戦5試合での得点は5ゴールと、その前の5試合で記録した15ゴールから大きく減少しました。直近の5ゴールのうち2ゴールはPKによるものです。ただし、テルスター戦やハポエル・ベエルシェバ戦では多くの好機を作り出していました。得点の減少を攻撃全体の不振と決めつけるのではなく、アウェイの強豪や守備人数を増やしてきた相手と対峙した際のフィニッシュの精度に目を向ける必要があります。
項目 ヨーロッパリーグ成績: アララト=アルメニア 2敗・2得点7失点 / AZアルクマール 1勝1敗・2得点2失点 国内リーグ順位: アララト=アルメニア 2位・勝ち点23 / AZアルクマール 2位・勝ち点20 本日の主な選手情報: アララト=アルメニア ジダン・バンジャキの出場が不透明 / AZアルクマール ヨルディ・クラーシ、ケース・スミットが欠場
アララト=アルメニアのホーム成績には、期待と警戒の両面が見られます。直近のホーム公式戦10試合で7勝を挙げ、6試合を無失点に抑えました。今季の欧州カップ戦予選でも、リガFC、シャムロック・ローヴァーズ、ツェリェ、ウニヴェルシタテア・クラヨーヴァをホームで撃破しています。しかし、直近のホームでの敗戦2試合となったFCノア戦とスパルタ・プラハ戦はいずれも3点差以上の大敗でした。予選で通用した戦い方がAZアルクマールほどの相手にも通用するかどうかは別の問題です。
AZアルクマールもまた、アウェイではホームほどゴールを奪えていません。直近のアウェイ公式戦10試合で3勝3分け4敗を記録し、5試合で無得点に終わっています。無得点に終わった試合にはフェイエノールトやサンダーランドといった強敵との対戦が含まれているため、アウェイの記録だけで今日の攻撃力を判断することはできません。ただ、直前のSCカンビュール戦では、相手が後半に退場者を出して10人になった後も崩すのに苦戦し、2点目の同点ゴールは後半83分のPKから生まれました。
両チームの公式戦での対戦は今回が初となります。参考になる試合としては、AZアルクマールが2026年2月に同じスタジアムでFCノアに0-1で敗れたカンファレンスリーグの一戦が挙げられます。当時のAZアルクマールはラストパスの精度を欠き、スローインからのカウンターに屈しました。監督とスタジアムは今日と同じですが、対戦相手もスカッドも変わっています。FCノア戦の結果をそのままアララト=アルメニア戦の予想に当てはめることはできません。
先発の台所事情は両チームで対照的です。アララト=アルメニアはヨーロッパリーグの2試合でほぼ同じメンバーを起用してきました。ただし、ヤギエロニア・ビャウィストク戦で先制ゴールを決めた後に負傷交代したジダン・バンジャキは、直前のコンディションテストをパスする必要があります。欠場となった場合は、代役を務めたジライル・シャゴヤンが左ウイングを務める可能性があります。AZアルクマールはふくらはぎに痛みがあるヨルディ・クラーシが遠征に帯同しておらず、ケース・スミット、ジズ・ホルンカンプ、スティエ・レシンクも出場できません。クラーシとスミットの不在は、デイブ・クワクマン、ペール・コープマイネルス、ヴァルデマル・ビスコフで構成する中盤で埋める可能性が高いです。
日程面での負担はAZアルクマールのほうが重くなっています。アララト=アルメニアは直前のリーグ戦から約5日間の休養がありましたが、AZアルクマールは約4日でした。AZアルクマールはエレバン遠征の後、日曜日にはFCトゥウェンテとのホームゲームを控えています。リロイ・エフテルト監督はすでに日程に合わせて先発を大幅に入れ替えた実績があり、今回も選手の出場時間をコントロールする可能性があります。キックオフ時間帯の天気予報は雨の心配がなく風も弱いため、天候がどちらか一方の戦い方に有利に働くことはなさそうです。
2. マッチアップ分析
マヌエル・トゥーリパ監督率いるアララト=アルメニアは、ホームで守備の安定を保ちながらロースコアで勝利を収めてきました。しかし、勝ち点を奪えていないヨーロッパリーグでは、試合の立ち上がりからボールを奪い返しに行く積極性も見せています。ヤギエロニア・ビャウィストク戦では敵陣でボールを奪った直後にマクサンス・カルリエがロングボールを供給し、バンジャキがディフェンスラインの背後へ抜け出して先制ゴールを決めました。今日もAZアルクマールのビルドアップにプレスをかけつつ、かわされた場合は自陣に戻ってロングパスから攻撃へと転じる戦術が有力です。
ただし、その選択にはリスクも伴います。ホームでスパルタ・プラハと対戦した際、アララト=アルメニアは序盤に決定機を作ったものの、前半20分と22分にCKからの流れで立て続けに失点しました。後半にもサイドからゴール前へ入れられたボールに対応しきれませんでした。トゥーリパ監督が再び長い時間帯にわたってディフェンスラインを押し上げれば、AZアルクマールは背後のスペースを突くことができます。逆にアララト=アルメニアが自陣深くにとどまれば、AZアルクマールは長い時間ボールを保持しながら密集した守備ブロックをこじ開けなければなりません。
AZアルクマールは高い位置からのハイプレスと素早い攻守の切り替えを持ち味とするチームです。アララト=アルメニアはヤギエロニア・ビャウィストク戦で、ゴールキックからの短いパス回しを自陣ペナルティエリア前で奪われて失点しました。同じ選択を繰り返せば、AZアルクマールの攻撃陣に至近距離から決定機を与えることになります。アララト=アルメニアがロングキックでプレスを回避する場合、AZアルクマールのクワクマンとコープマイネルスがセカンドボールを回収して攻撃へとつなげられるかが鍵を握ります。彼ら2人とビスコフの連係はテルスター戦やハポエル・ベエルシェバ戦で多くのチャンスを生み出しましたが、いずれもホームでの試合でした。
AZアルクマールの左ウイングであるロ=ザンジェロ・ダールと、アララト=アルメニアの右サイドバックであるウーゴ・オリベイラのマッチアップも重要です。ダールは今季11試合すべてに先発し、5ゴールを記録しています。アララト=アルメニアはスパルタ・プラハ戦でサイド攻撃から後半に2失点を喫しました。オリベイラの前のウイングが守備に戻ればダールに対して2人で対応できますが、その分アララト=アルメニアの前線のカウンター要員は削られます。ウイングを前線に残せば、ダールがオリベイラと1対1で仕掛ける場面が増えることになります。
クロスとセットプレーは、AZアルクマールが堅い守備ブロックを崩す上で有効な手段です。ハポエル・ベエルシェバ戦ではビスコフのクロスにコープマイネルスがヘディングで合わせました。アララト=アルメニアはスパルタ・プラハ戦でCKを13本も許し、そこからの攻撃で2失点しています。AZアルクマールがサイドから放り込み続けた場合、アララト=アルメニアの守備陣はゴール前でマークを外さない集中力が求められます。アララト=アルメニアもまたスパルタ・プラハ戦でCKからの攻撃で得点を挙げているため、セットプレーは絶好の得点チャンスとなり得ます。
逆サイドでは、アララト=アルメニアのロングパスがAZアルクマール守備陣のテストとなります。カルリエがボールを奪い返して素早く前線へフィードすれば、アルトゥル・セロビアンや、出場した場合はバンジャキが高いディフェンスラインの裏を狙えます。AZアルクマールの先発予想メンバーには、今季先発が1試合にとどまるウェズレイ・フートとメース・デ・ウィットが含まれています。フートが先発した試合では失点につながるミスが記録されており、ヴァウター・フースもフェイエノールト戦でのクリア処理のミスが失点の契機となりました。だからといってミスが繰り返されるとは限りません。AZアルクマールがボールを失った瞬間にカルリエへプレスをかけ、ロングパスの出どころそのものを封じられるかにも注目が必要です。
バンジャキが出場できるかどうかで、このマッチアップの構図は変わります。彼が出場すれば、AZアルクマールの守備陣はセロビアンとバンジャキの両方の飛び出しを警戒しなければなりません。バンジャキが不在の場合、アララト=アルメニアのカウンターはセロビアンへ集中することになります。AZアルクマールのサイドバックが果敢に攻撃参加できる余地も広がるでしょう。ただし、バンジャキの欠場だけでアララト=アルメニアの得点の可能性が消えるわけではありません。セットプレーや相手守備陣の処理ミスを突くルートは十分に残されています。
試合序盤にスコアが動くかどうかは、両指揮官の采配にも影響を与えそうです。アララト=アルメニアはスパルタ・プラハ戦で2分の間に2失点し、ヤギエロニア・ビャウィストク戦では先制からわずか2分で同点ゴールを許しました。AZアルクマールが先制に成功すれば、追いつこうと前に出るホームチームの背後にさらなる攻撃スペースが生まれます。スコアが動かないまま後半までもつれ込んだ場合、エフテルト監督はこれまでの試合と同様に60〜70分あたりで複数の選手を入れ替えて攻撃の活性化を図るはずです。しかし、SCカンビュール戦ではそうした交代を行ってもオープンプレーからの得点は奪えませんでした。
3. 最終判断および結論
AZアルクマールの勝利がより有力です。アララト=アルメニアがボールを譲って自陣深くにブロックを組んだとしても、AZアルクマールはダールのサイド突破やビスコフのクロスからゴール前を攻略できます。アララト=アルメニアが高い位置からプレスをかけてくれば、AZアルクマールはその背後のスペースを使うことができます。特にホームチームがスパルタ・プラハ戦のようにCKの守備でマークを外してしまうようであれば、AZアルクマールが先制点を奪う可能性は一段と高まります。
ただし、その優勢が大差の勝利につながるという判断には根拠が乏しいと言えます。アララト=アルメニアはリーグフェーズの2試合で敗れはしたものの、いずれも得点を挙げており、カルリエのロングパスとウイングの裏抜けという明確な攻撃ルートを持っています。その攻撃を受けるAZアルクマールの守備陣は、予想どおりならレギュラー陣とは顔ぶれが変わります。AZアルクマール自身も、直近のアウェイ戦や堅守を敷く相手との対戦で得点力不足に苦しんできました。順位の開きやアララト=アルメニアの7失点だけを根拠に、AZアルクマールの大勝を見込む市場の見方とは意見が分かれるところです。
予想スコアはホームのアララト=アルメニアから見て1-2、あるいは0-2と見ます。AZアルクマールがクロスやセットプレーから2ゴールを奪い、バンジャキが出場すればアララト=アルメニアがカウンターやセットプレーから1点を返す1-2の展開が最も有力です。バンジャキが欠場した場合はセロビアンにカウンターの負担が集中し、0-2に近づきます。この見立ては、AZアルクマールがアララト=アルメニアのゴール前での守備を攻略できるという前提に基づいています。ホームチームがCKやクロスをしっかりと跳ね返し続ければ、AZアルクマールはラストパスの供給に再び手を焼くことになり、1-1の引き分けで終わる可能性も残されています。