【2026 FIFA ASEANカップ】マレーシア vs ベトナム 分析プレビュー キックオフ:10月5日18:00(韓国時間)
10月5日、韓国時間18時からインドネシア・ジャカルタのゲロラ・ブン・カルノ・スタジアムで、マレーシアとベトナムがFIFA ASEANカップ ディビジョン1の3位決定戦を戦います。マレーシアはグループリーグで無敗だったものの、総得点で及ばず決勝進出を逃しました。ベトナムは8月のASEANカップ決勝で下したタイに、今大会では敗れています。7週間前の準決勝では、ベトナムが2試合とも2-0で勝ちましたが、今日は両チームの顔ぶれが大きく変わっています。
1. 試合概要と両チームの状況
マレーシアはバングラデシュに3-0、シンガポールに6-0で勝ち、開催国インドネシアとは0-0で引き分けてA組2位となりました。インドネシアとは勝ち点7、得失点差+9で並びましたが、総得点で9対11と下回りました。ベトナムはフィリピンに1-0、パキスタンに4-2で勝利し、タイには0-2で敗れてB組2位で準決勝に進みました。
FIFA ASEANカップ グループリーグ 成績:マレーシア 2勝1分/ベトナム 2勝1敗 得点・失点:マレーシア 9得点・0失点/ベトナム 5得点・4失点 順位:マレーシア A組2位/ベトナム B組2位
マレーシアの9得点はすべて、バングラデシュ戦とシンガポール戦で挙げたものです。インドネシア戦では、相手が37分に退場者を出した後も得点できませんでした。タン・チェンホー監督は試合後、守備的に構える相手を崩すのは難しかったと話しています(テンポ、9月29日)。一方、ベトナムの4失点はタイ戦とパキスタン戦で2点ずつ喫したものです。タイ戦ではボール支配率56%、シュート14本を記録しながら枠内シュートは2本にとどまり、パキスタン戦では不正確なバックパスとその後の対応ミスから先制点を許しました。両チームのグループリーグの得失点を比べる際は、対戦相手や失点の場面も踏まえる必要があります。
マレーシアは8月にベトナムと対戦した準決勝とは異なるメンバーで臨みます。ラオドン紙は、当時のメンバーのうち今大会にも残っているのは5人だけだと報じました(10月4日)。ベルグソン・ダ・シルバは今大会で4得点を挙げ、アリフ・アイマンは右サイドからの突破と縦へのパスを担っています。マヌエル・イダルゴとノア・ライネが中盤を支え、スチュアート・ウィルキンも攻撃に加わります。8月の対戦結果を、現在のメンバーの攻撃力にそのまま当てはめるのは難しいでしょう。
ただし、変化のすべてがマレーシアに有利とは限りません。グループリーグ3試合すべてに先発した主将ディオン・クールズが家庭の事情で代表を離れ、左ウイングのファイサル・ハリムもふくらはぎの負傷で帰国しました。クールズの代役候補とされるウバイドゥラ・シャムスルとハリス・ハイカルは、今大会でそれぞれ15分、21分しかプレーしていません。ファイサルの位置には、シンガポール戦で先発したファーガス・ティアニーが入る可能性があります。マレーシアは攻撃陣の組み合わせをかなり維持できそうですが、ブラッド・タブと組むセンターバックは変更を迫られます。
ベトナムは、最近のマレーシア戦で得点を重ねていたグエン・スアン・ソンをハムストリングの負傷で欠きます。3月の予選と8月の準決勝を合わせた直近の公式戦で、ベトナムがマレーシア相手に挙げた7得点のうち5得点は彼によるものでした。ドー・ホアン・ヘンとグエン・タイ・ロックも欠場すると報じられています(ボンダプラス、10月4日)。キム・サンシク監督はブイ・ホアン・ビエット・アインの筋肉の状態にも懸念があると話しましたが、出場できる可能性は高いと伝えられています(サオスター、10月5日)。パキスタン戦で1得点2アシストを記録したグエン・ディン・バックは筋肉の張りがあり、別メニューで調整しました。先発するかどうかはまだ決まっていません(ティエンフォン、10月5日)。
両チームともゲロラ・ブン・カルノ・スタジアムで、現地時間16時開始の試合を経験しています。日程には違いがあります。マレーシアは10月1日にグループリーグ最終戦を戦い、ベトナムは10月2日の同じ時間帯にパキスタンと対戦しました。キム監督とベトナムの選手たちは、パキスタン戦の前半は暑さで集中力が落ちたと話しています。オープンメテオの試合当日の予報では、キックオフ頃の気温は29.5度で、降水確率も高くなっています。休養が1日少ないうえ、複数選手のコンディションに不安があることは、ベトナムの後半の戦い方を制約しそうです。
マレーシアには、長年続く対戦記録を塗り替えたいという動機もあります。タン監督は、10年以上ベトナムに勝てていないとして、勝利への意欲を示しました(ベルナマ、10月4日)。ただ、8月の準決勝での2連敗は、新たな帰化選手が加わる前の結果です。8月の優勝チームであるベトナムも、当時のマレーシア戦で攻撃を牽引したスアン・ソンを欠き、攻め方を変える必要があります。過去の結果より、今日出場できる選手たちがどんな役割を担うかが重要です。
2. マッチアップ分析
マレーシアが長くボールを保持し、ベトナムが守備の間隔を狭める展開が予想されます。マレーシアは今大会のグループリーグ3試合すべてで相手を上回るボール支配率を記録しました。ベトナムは8月のクアラルンプールでの準決勝第1戦で、マレーシアにボールを持たせながら守備を崩さず、前半アディショナルタイムに先制しています。今日もベトナムがまず守備を整えれば、マレーシアはインドネシア戦で直面した課題に再び取り組むことになります。あの試合ではシュート18本のうち枠内は2本だけでした。数的優位や高いボール支配率だけでは、固い守備を崩せませんでした。
マレーシアの最も明確な攻撃ルートは、アリフ・アイマンが担う右サイドです。バングラデシュ戦で2得点を挙げ、インドネシア戦では右からの突破で相手選手の退場を誘いました。ベトナムの左サイドにファン・トゥアン・タイが入るなら、この対決は両チームの攻撃にも影響します。トゥアン・タイはパキスタン戦の後半から出場し、相手の守備裏を突くパスで2得点をアシストしました。ただ、彼が前に出た背後には、アリフ・アイマンが狙えるスペースが生まれます。ベトナムがアリフ・アイマンを止めるために左サイドの守備を低く保てば、パキスタン戦の逆転劇の起点となったトゥアン・タイの攻め上がりも減るでしょう。
ベトナムはサイドでボールを奪い、マレーシアの守備ラインの裏へ素早くパスを通して対抗したいところです。パキスタン戦の4得点のうち3点は、そうした縦へのパスから生まれました。50分にはトゥアン・タイのパスを受けたグエン・ハイ・ロンが同点ゴールを決め、80分には同じ選手のロングパスからディン・バックが得点。90+1分にはディン・バックが守備裏へ送ったボールをウィリアムズ・ミン・ホアンが仕留めました。マレーシアは今大会まだ無失点ですが、シンガポール戦では守備裏で1対1のチャンスを許し、シー・ハン・ハズミの好セーブで失点を免れました。クールズを欠く今日は、タブと新たに組む選手がベトナムの攻撃陣の動きに連係して対応する必要があります。
ディン・バックが先発するかどうかで、この攻防は変わります。左の前線でプレーすれば、ベトナムはボールを奪った直後に前進できる選手を確保できます。マレーシアも右サイドの攻撃に人をかけにくくなるでしょう。ディン・バックがベンチスタートなら、ハイ・ロンとミン・ホアンの裏への動きは残りますが、ベトナムが前半に左からボールを運ぶ手段は減ります。キム監督はパキスタン戦でも、後半開始と同時にディン・バックを投入して流れを変えました。ただし、あの試合では後半に相手の体力が落ち、守備ラインが深くなっていました。今日も同じ効果を期待するには、ディン・バックの状態と投入のタイミングがかみ合う必要があります。
ベトナムは、マレーシア戦で効果を上げたクロスからの攻撃も見直さなければなりません。3月の予選ではチュオン・ティエン・アインのコーナーキックやクロス、ドー・ホアン・ヘンのクロスから得点が生まれました。8月の準決勝第1戦でも、ティエン・アインのクロスをスアン・ソンがヘディングで決めています。ティエン・アインは今日も出場するとみられますが、スアン・ソンとドー・ホアン・ヘンは欠場します。そのため、高いボールを受ける選手に頼るより、ハイ・ロンやミン・ホアンの裏への飛び出し、出場するならディン・バックの左からの仕掛けを生かす必要があります。先に失点してマレーシアが守備の人数を保つ展開になると、この変更は特に不利です。裏へ抜ける攻撃に必要なスペースが狭まるためです。
マレーシアが先制すれば、ベトナムはウイングバックや前線の選手を押し上げるでしょう。その場合、アリフ・アイマンは広がった右サイドで再びボールを受けられます。マレーシアはシンガポール戦のように、リードした後にカウンターから追加点を狙えます。逆にベトナムが先制すれば、マレーシアはインドネシア戦で崩せなかった守備ブロックを相手にすることになります。タン監督があの試合のようにミッドフィルダーを下げて攻撃の選手を増やせば、ペナルティーエリア内の人数は増えますが、ボールを失った後にベトナムの縦パスを止める中盤の人数は減ります。先制点によって、両監督が選べる攻め方も変わります。
後半の交代では、マレーシアのほうが選択肢を多く持っています。シンガポール戦では途中出場のパウロ・ジョスエとシャヒル・バシャが終盤に得点しました。ベトナムはキム監督がタイ戦とパキスタン戦のハーフタイムに複数選手を交代させましたが、今回は万全の状態の選手が少ないと報じられています。90分を終えて同点なら延長戦とPK戦に進むとの報道もあり(VOV、10月4日)、交代のタイミングは一段と重要です。同点のまま試合が長引けば、マレーシアは攻撃の選手を増やすか判断しなければなりません。ベトナムは限られた交代枠を、規定時間と延長戦にどう配分するかが問われます。
3. 最終判断と結論
規定時間内の予想スコアは、マレーシアの2-0、または1-1です。本命は、ディン・バックが先発を外れ、マレーシアが60分までに先制して2-0で勝つ展開です。マレーシアはアリフ・アイマンの右サイド突破に加え、ベルグソン・ダ・シルバとファーガス・ティアニーのペナルティーエリア内での動きでベトナムの守備を崩します。失点したベトナムが左ウイングバックを押し上げれば、マレーシアは攻撃の速度を調整しながら、後半にその背後を突いて追加点を狙います。
この展開を予想する理由は、マレーシアに休養日が1日多く、ベトナムは同じ時間帯に行われたパキスタン戦の前半に暑さの影響を受けたと話しているためです。ベトナムは最近のマレーシア戦で得点を牽引したスアン・ソンを欠いて得点しなければなりません。ディン・バックも先発を外れれば、ボールを奪ってすぐに左から前進するのが難しくなります。マレーシアにはアリフ・アイマンのサイド攻撃と、後半に投入できる攻撃の選手が残っているため、先制後もベトナムの前進に対応できます。
市場は、グループリーグでの9得点・無失点と、顔ぶれが変わったマレーシアを理由に、マレーシアをわずかに優位と見ながら、ベトナムが長く対戦を優位に進めてきた点も大きな材料と見ているようです。勝敗の方向性は市場と同じですが、ベトナムの勝ち目は市場の評価より低く見ています。最近のマレーシア戦で多くの得点を担ったスアン・ソンが欠場し、ベトナムが先に失点すれば、その得点パターンを代わりに実行する選手も交代の選択肢も限られるためです。
予想を左右する条件はディン・バックの先発起用です。彼が最初から左サイドで前に出れば、ベトナムはクールズを欠くマレーシアのセンターバックの背後をすぐに狙えます。マレーシアの右サイド攻撃も制約を受けるでしょう。その場合はベトナムが先制し、マレーシアが後半に追いつく、規定時間内1-1を予想します。ディン・バックが先発しなくても、ベトナムが60分まで失点を防げば、マレーシアは再び固い守備を崩さなければなりません。したがって、2-0の予想が成り立つかどうかは、この前提にかかっています。