今回の東京ダービーには、一方のチームにはっきりとした傾向が見られます。東京ヴェルディは今季のリーグ戦で上位半分のチームと対戦した際、すべての試合でちょうど2点差で敗れており、直近の試合も相馬直樹新監督のもとで同じ結果となりました。一方のFC東京は、序盤は同点で耐え、試合開始から1時間を過ぎたあたりから勝負を決める展開を得意としています。注目されるのは、ヴェルディの監督交代による再出発がその傾向を変えるのか、それとも単に敗戦のタイミングを遅らせるだけに終わるのかという点です。
その背景にある数字を見てみましょう。ヴェルディは柏に1-3、鹿島に0-2、神戸に0-2で敗れ、敵地での浦和戦は1-3、広島戦は0-2といずれも敗れており、そのうち4試合はこのスタジアムでのものです。今季のリーグ戦9試合で1度も1試合2得点以上を挙げたことがなく、ホームでは直近6試合クリーンシート(無失点)がありません。対するFC東京は、リーグ戦の直近6試合中5勝を2点差以上で飾っており、8月以降のリーグ戦8試合でわずか3失点しか喫していません。
鍵を握るマッチアップは、長倉幹樹の中盤でのボールキャリーと、ヴェルディのボランチコンビとの攻防です。浦和戦での長倉は、ドリブル前進から先制点を生み出し、残る2点もお膳立てしましたが、これらはすべて63分以降に生まれたものでした。相馬監督の初陣となった広島戦のヴェルディは、前半こそ優勢だったものの、後半立ち上がりに相手の交代選手にライン間でスペースを使われ、47分と58分に失点してしまいました。ヴェルディにとって最大の攻め手は左サイドであり、キャプテンの室屋成を欠く東京の右サイドを突いて染野やキム・ヒョヌへクロスを供給することになるでしょう。
FC東京にとってターンオーバー(過密日程による選手起用)は問題にならないはずです。ミッドウィークのカップ戦ではメンバーを大幅に入れ替えており、長倉、安斎颯馬、マルセロ・ヒアンの出場時間は30分ほどにとどまり、数名の主力は完全休養となりました。そのため、浦和を下した主力の大半は十分な休養を取って臨めます。次節はホームでのリーグ戦となるため、このダービーで主力を温存する理由はありません。
前半はヴェルディがコンパクトに構えて気迫を見せ、東京はリーグ戦9試合中5試合で前半を同点で折り返したときのように焦らずボールを保持する、引き締まった展開になると予想しています。試合は東京が先制した段階で動き出すはずです。そこからヴェルディは前に出ざるを得なくなり、そこで東京の鋭いトランジション(攻守の切り替え)とベンチから投入されるフレッシュな選手たちの走力が威力を発揮することになるでしょう。
だからこそ私は、FC東京がこのダービーで点差をつけて勝利すると予想します。