【26-27 プレミアリーグ (イングランド)】マンチェスター・シティ vs イプスウィッチ 分析プレビュー キックオフ:10月17日 23:00(日本時間)
マンチェスター・シティとイプスウィッチが日本時間10月17日23時、エティハド・スタジアムでプレミアリーグ第7節を戦います。開幕6連勝で首位に立つマンチェスター・シティは、パリ・サンジェルマン戦の敗戦から中2日で再びホームゲームに臨みます。昇格組のイプスウィッチは、フラム戦の終盤逆転勝利から7日間の休養を経て首位のアウェイゲームに挑みます。
1. 試合概要および両チームの現状
マンチェスター・シティはリーグ戦6戦全勝の勝ち点18で首位に立ち、2位のアーセナルに3差をつけています。イプスウィッチは3勝3敗、勝ち点9で10位です。マンチェスター・シティには首位キープと開幕7連勝がかかっています。イプスウィッチは強豪相手にもゴールを挙げた経験はあるものの、今季マンチェスター・ユナイテッド、リヴァプール、アーセナルと対戦した試合はいずれも敗れています。
今季リーグ戦6試合 勝敗:マンチェスター・シティ 6勝0敗 / イプスウィッチ 3勝3敗 得点・失点:マンチェスター・シティ 16・5 / イプスウィッチ 9・12 1試合平均ゴール期待値・失点期待値:マンチェスター・シティ 1.62・1.30 / イプスウィッチ 1.37・1.81
マンチェスター・シティが残している結果は、ゴール期待値の記録以上に際立っています。サンダーランド戦では枠内シュート6本で5ゴールを奪い、リヴァプールのアウェイで奪った3ゴールはすべて相手選手が62分に退場した後に生まれました。一方でホームではボーンマス、コヴェントリー・シティ、サンダーランドにいずれも勝利したものの、3試合で4失点を喫しています。5-3で勝利したサンダーランド戦では、3度リードを奪った直後にそれぞれ3分後、4分後、2分後に失点しました。白星を重ねてきた攻撃力とは別に、リードした直後に相手の反撃をどう抑えるかは今回も注視する必要があります。
イプスウィッチの直近リーグ戦3勝は、いずれも90分以降の決勝ゴールで決まりました。フラム戦では55分に失点した後に交代カードを切り、88分のミドルシュートとアディショナルタイムのフリーキックからのヘディングで2-1の逆転勝利を収めました。ただ、その試合のゴール期待値はイプスウィッチが1.15、フラムが1.81でした。試合終盤まで攻撃を継続できる力は証明されたものの、それまでの時間帯に相手へのチャンスを少なく抑えられていたわけではありません。今季のイプスウィッチの1試合平均失点期待値も1.81と高くなっています。
両チームの直近の公式戦は、今後の展望に向けてそれぞれ異なる警鐘を鳴らしています。マンチェスター・シティはリヴァプールに3-0で勝利したものの、前半は高いポゼッション率にもかかわらず決定機をほとんど作れませんでした。続いてパリ・サンジェルマンに2-4で敗れた試合では前半30分以内に3失点を許し、高い守備ラインの裏のスペースをカウンターで突かれました。イプスウィッチはフラム相手に終盤の逆転劇を演じたものの、リヴァプール戦では立ち上がり9分以内に2失点を喫しました。マンチェスター・ユナイテッドのアウェイでも先制しながら2-5で敗れています。イプスウィッチが終盤まで接戦を演じるには、強豪戦で見られた連続失点を避けなければなりません。
マンチェスター・シティのエンツォ・マレスカ監督は、直近のリーグ戦とパリ・サンジェルマン戦で主力8人を連続して先発起用しました。しかし今回の試合を前に、エリオット・アンダーソン、エンソ・フェルナンデス、マーク・グエイ、アーリング・ハーランド、ルベン・ディアスについて、どこかのタイミングで休養が必要だと述べています。クラブはハーランドがメンバー入りすることを明らかにしていますが、スタメンの構成はまだ決まっていません。出場停止が明けたフィル・フォーデンも起用可能です。マンチェスター・シティの鍵を握るのは、負傷による離脱者よりも中盤とセンターバックで誰を休ませるかという点です。
イプスウィッチのゲイリー・オ=ニール監督は、リーグ戦6試合すべてで4-2-3-1を採用してきましたが、今回のアウェイ戦を前にシステムの変更を検討していると明かしました。選手起用にも変化が見られます。直近のリーグ戦2試合ではクリスチャン・ウォルトンがゴールマウスを守り、アブドゥル・ウワタラが右サイドバック、ダラ・オシェイがセンターバックを務めました。退場処分による出場停止を終えたアブドゥル・ファタウも復帰可能です。ファタウはマンチェスター・ユナイテッド戦で相手サイドバックを突破してクロスから先制点を演出しました。彼が戻れば、イプスウィッチはボールを奪い返した後に右サイドから前進する選択肢を取り戻せます。
過去2回の直接対決ではマンチェスター・シティが4-1、6-0で勝利しています。2試合とも先制点から短い時間で追加点が生まれた点は、イプスウィッチにとって警戒すべき要素です。ただ、当時の指揮官はそれぞれペップ・グアルディオラとキーラン・マッケナでした。現在は両チームとも監督と陣容が変わっており、過去のスコアをそのまま今回の戦術的な力関係に当てはめることはできません。
日程面ではイプスウィッチに余裕があります。マンチェスター・シティはパリ・サンジェルマン戦から中2日で戦い、さらにこの後はAEKアテネとのチャンピオンズリーグが控えています。イプスウィッチは7日間の休養があり、次の試合も7日後です。休養日の差だけで試合後半のスタミナ状態を断定することはできませんが、マレスカ監督の先発の選択や両指揮官の交代のタイミングには影響を与える可能性があります。
2. マッチアップ分析
マンチェスター・シティがボールを長く保持し、イプスウィッチが守備を固めてからサイドを使って前進する構図が予想されます。両チームの今季の平均ポゼッション率はそれぞれ65.5%と46.5%です。マンチェスター・シティはサイドからハーランドへクロスを供給し、ジェレミー・ドクやイリマン・エンディアイエの突破でペナルティエリア内に侵入することができます。イプスウィッチはセンターバックの距離感を保ちながら、ファタウやレイフ・デイビスを通じて反撃を試みるでしょう。オ=ニール監督が守備の人数を増やす布陣を選択した場合、ハーランドの周囲を固める人数は増えますが、ボールを奪った後にサイドから攻撃を仕掛ける人数が減る可能性があります。
マンチェスター・シティの右ウイングであるアントワーヌ・セメニョと、イプスウィッチの左サイドバックであるデイビスがマッチアップするサイドは、両チームにとって極めて重要です。セメニョはコヴェントリー・シティ戦でクロスからハーランドの決勝点をアシストしました。デイビスは今季リーグ戦で2ゴールを挙げており、クリスタル・パレス戦ではクロスからエデルソンのヘディングゴールをアシストしています。デイビスが攻め上がってクロスを上げられればイプスウィッチの主要な攻撃パターンが機能します。同時に、彼が空けた左サイドの裏にはセメニョが突くスペースが生まれます。デイビスが攻撃参加を自重すればそのスペースを守れる反面、イプスウィッチのクロス供給も制限されます。
逆サイドではウワタラがマンチェスター・シティの左ウイングと対峙します。ウワタラはエヴァートン戦で右サイドバックとして先発し、ジャック・グリーリッシュを比較的うまく抑えました。しかし、ドクがリヴァプール戦の56分に投入された後は、マンチェスター・シティの攻撃の形そのものが変わりました。ドクは左サイドから先制点につながるシュートを放ち、内側へ切り込んで自らゴールも奪いました。ドクが先発ならウワタラは立ち上がりから1対1の対応を繰り返すことになります。途中出場となるなら、オ=ニール監督が後半に守備の陣形をどう配置するかが重要になります。ドクの出場時間はコントロールされているため、どのタイミングでこのマッチアップが始まるかはスタメン発表を確認する必要があります。
ハーランドへのクロスを防ぐ作業も、サイドの守備だけで完結するものではありません。ハーランドはコヴェントリー・シティ戦とパリ・サンジェルマン戦でクロスをヘディングで決めました。イプスウィッチがセンターバックをハーランドに密着させ、守備のスペースを狭めれば、マンチェスター・シティのサイドアタッカーがボールを扱う時間的余裕が生まれます。逆にサイドへの警戒を強めて人を割けば、ゴール前でハーランドをマークする選手のポジショニングが重要になります。イプスウィッチは直近のリーグ戦2試合でそれぞれ1失点に抑えていますが、それらの試合の失点期待値は2.24と1.81でした。失点数が減ったという事実だけで、マンチェスター・シティのクロスを十分に防ぎ切れると判断するのは困難です。
イプスウィッチにも、マンチェスター・シティが失点してきたパターンで攻撃を仕掛ける手段があります。サンダーランドはクロスとヘディングの競り合いから至近距離で仕留めてゴールを奪い、パリ・サンジェルマンはカウンターで高い守備ラインの裏を突きました。イプスウィッチにはファタウのサイド突破、デイビスのクロス、ジャック・クラークのフリーキックとオシェイのヘディングがあります。フラム戦の決勝ゴールもクラークのフリーキックをオシェイが頭で合わせたものでした。ただ、マンチェスター・シティがポゼッションを長く保てば、ファタウは自陣深くでボールを受けることになります。その場合、ボールを奪ってもゴール前まで運ばなければならない距離が長くなります。
先制後の対応が点差を左右する可能性が高いと見られます。マンチェスター・シティが先制し、すぐに連続して追加点を奪う展開になれば、イプスウィッチは終盤の選手交代やセットプレーで接戦に持ち込むことが難しくなります。イプスウィッチが反撃して早い時間帯に追いついた場合、サンダーランド戦で露呈したリード直後のシティの守備の課題が再び重要になってきます。マレスカ監督はリヴァプール戦やパリ・サンジェルマン戦で試合中の選手交代によって攻撃の活性化を図った一方、オ=ニール監督はフラム戦で後半の交代選手を起点に逆転劇を呼び込みました。60分を過ぎても接戦が続いていれば、両者とも交代カードによって得点ルートを変えてくる可能性があります。
3. 最終判断および結論
マンチェスター・シティがポゼッションを軸にサイドから多くの攻撃を仕掛け、イプスウィッチはブロックを敷いてからファタウのドリブル突破やデイビスのクロス、セットプレーで反撃を狙う展開が有力です。勝負の行方はマンチェスター・シティ優勢と見ます。イプスウィッチがデイビスの攻め上がりを攻撃に組み込むほど、セメニョがその背後のスペースを突くことができ、マンチェスター・シティにはハーランドへのクロスやドクらの突破といった複数の得点パターンが存在します。試合が後半まで拮抗したとしても、マレスカ監督には今季交代カードで攻撃の形を変えてきた実績があります。
市場はマンチェスター・シティの6連勝とホーム開催を根拠に優位性を織り込みつつも、得点数についてはやや慎重な姿勢を見せています。勝敗の方向性には同意しますが、イプスウィッチが1点を奪うプロセスが、結果としてマンチェスター・シティの追加点のチャンスを生み出す可能性もあると見ています。マンチェスター・シティは主力のセンターバックが出場したサンダーランド戦でも、クロスとヘディングの競り合いから失点しています。イプスウィッチが挽回のためにデイビスやファタウの位置を押し上げれば、その背後のスペースはマンチェスター・シティにとって格好の攻撃目標となります。
予想スコアはマンチェスター・シティから見て3-1、または4-1です。マンチェスター・シティが前半のうちにサイド攻撃からリードを奪い、イプスウィッチがクロスやクラークのセットプレーから1点を返すものの、マンチェスター・シティが後半の交代戦力や相手の前傾姿勢によって空いたスペースを突いて突き放す展開を想定しています。ただし、オ=ニール監督がセンターバックを増やした布陣でシティのサイド突破を食い止め、0-0のまま60分以降まで持ち込むようであれば、早い時間帯の先制点を前提としたこのシナリオは当てはまらなくなります。