【26-27 DFBポカール】パーダーボルン対シュトゥットガルト 分析プレビュー キックオフ:10月29日 02:00(日本時間)
パーダーボルンとVfBシュトゥットガルトが10月29日午前2時(日本時間)、ホーム・デラックス・アレーナでDFBポカール2回戦を戦います。18日前に同じスタジアムで行われたリーグ戦の直接対決では、シュトゥットガルトが2-0で勝利しました。今回はベスト16進出を懸けた一発勝負です。
1. 試合概要および両チームの現状
パーダーボルンは昨季2部から昇格し、10月27日時点でリーグ12位につけています。シュトゥットガルトは15位にとどまっています。ただ、順位とは裏腹に両チームの試合内容は異なります。パーダーボルンは得点機会そのものが少ない傾向にある一方、シュトゥットガルトはチャンスを作り出しながらも相手に多くの決定機を許してきました。
今季リーグ戦7試合 順位・勝ち点(10月27日時点):パーダーボルン 12位・8 / シュトゥットガルト 15位・6 得点・失点:パーダーボルン 6・9 / シュトゥットガルト 10・13 ゴール期待値・失点期待値:パーダーボルン 6.71・11.42 / シュトゥットガルト 13.00・17.00
パーダーボンの実際の失点が失点期待値を下回っている要因には、GKナウエル・ノルの好セーブの貢献があります。ヴェルダー・ブレーメンとのアウェイ戦では相手にゴール期待値2.79の決定機を作られながらも、ノルのファインセーブ連発により2-2の引き分けに持ち込みました。ただ、ケッテマン監督は今回のカップ戦のGKについて試合当日に発表するとしています。1回戦ではマルクス・シューベルトが出場しました。ノルが先発しない場合、リーグ戦で示されたセーブ記録を今回の展望にそのまま当てはめることはできません。
パーダーボンの攻撃は最近、ロングパスやセットプレー、途中出場選手の活躍によって結果を出しています。ホッフェンハイム戦の3-1の勝利では、GKのロングパスを前線でおさめた後にサイドからのクロスにつなげた攻撃が得点へと結びつきました。ヴェルダー・ブレーメン戦ではボール奪取直後の攻撃とロングスローから2ゴールを奪いました。直前のハンブルガーSV戦では前半に枠内シュートがゼロだったものの、後半に投入されたバークとゲッツェが攻撃を活性化させ、同じく途中出場のフィリップが88分に決勝ゴールを挙げました。自陣深く引いて守る相手に対し、前半からコンスタントにチャンスを作れるチームとは言い難いのが実情です。
シュトゥットガルトは公式戦3試合連続で勝利がありません。ハンブルガーSVとのアウェイ戦では24本のシュートを放ちながら無得点に終わり、アトレティコ・マドリード戦ではハイプレスから先制したものの、後半開始直後に同点ゴールを許しました。ボルシア・メンヒェングラートバッハ戦では先発6人を入れ替えながらも開始5分で先制点を奪ったものの、2-3で敗れました。リーグ戦での不振を決定的チャンスを逃し続けたことだけで片付けることはできません。リーグ戦7試合の失点期待値は17.00に達し、バイエルン・ミュンヘン戦の4.06を除いた6試合でも、1試合平均の失点期待値は2点を超えています。
日程面では、今回の対戦においてシュトゥットガルトがやや有利です。直近のリーグ戦での敗戦のうち、ホッフェンハイム戦、ハンブルガーSV戦、ボルシア・メンヒェングラートバッハ戦はいずれもチャンピオンズリーグの試合から中2〜3日で臨んでいました。今回は前節のリーグ戦から4日以上空いており、パーダーボンよりも休養期間が1日近く長くなっています。もっとも、短い休養だけが敗戦の理由だったとは断定できません。相手も先発の顔ぶれも試合ごとに異なっていました。『キッカー』誌が予想する今節の先発には、ボルシア・メンヒェングラートバッハ戦でベンチスタートだったウンダフ、レヴェリング、エル・ハヌスが復帰するとみられています。ただし、確定メンバーではありません。
両指揮官ともにカップ戦を重視しています。シュトゥットガルトは2025年に優勝、2026年に準優勝を果たしており、最近のカップ戦アウェイ14試合で13勝を記録しています。パーダーボンもカップ戦での上位進出に意欲を示しています。ただ、両チームとも3日後にはリーグ戦のアウェイマッチを控えています。パーダーボンは残留争いのライバルであるボルシア・メンヒェングラートバッハと、シュトゥットガルトはバイエル・レバークーゼンと対戦します。
過去の公式戦6試合でパーダーボンは1分け5敗にとどまり、カップ戦での過去3度の対戦もすべてシュトゥットガルトが制しています。ただ、過去の対戦は当時の監督やメンバーが異なるため、今回の試合展開を説明する根拠とするには無理があります。より重要なのは18日前の対戦です。シュトゥットガルトが前半をコントロールしたものの、パーダーボンは後半に攻撃の手を強めて同点に迫るチャンスを作りました。2点差での勝利という結果だけで、そのプロセスまで測ることはできません。
2. マッチアップ分析
シュトゥットガルトがボールを長く保持し、パーダーボンがロングパスとサイドアタックで応戦する展開になる可能性が高いです。18日前、ホーネス監督は3枚のセンターバックでパーダーボンの2トップに対応させ、中盤にカラゾルを配置しました。シュトゥットガルトが前半に先制し、パーダーボンの前半のゴール期待値はわずか0.07にとどまりました。しかし後半に入ると、パーダーボンがプレスの位置を押し上げてロングパスを多用したことで、シュトゥットガルトが自陣で守備に追われる時間帯が増加しました。ホーネス監督も試合後、先制した後にボールをあまりにも早く失いすぎたと認めています。
今回、シュトゥットガルトは守備陣の構成が変わる可能性があります。18日前に3バックの右を務めたヴァグノマンが負傷で離脱します。『キッカー』誌の予想通りに4バックを採用する場合、アシニョンが右サイドバックを務めることになります。彼は直前のボルシア・メンヒェングラートバッハ戦でサイドでのデュエルや2対1の守備対応に苦しみました。その対面に位置するパーダーボンの左ウイングバックのオーバーマイアーは、18日前の対戦でヴァグノマンをかわしてシュートを放ち、ハンブルガーSV戦でもセットプレーから前半の好機を演出しました。オーバーマイアーがクロスを上げたりフリーキックを獲得したりする形は、パーダーボンが決定機を作り出す具体的なルートです。逆に、彼が攻め上がった後にボールを失えば、右ウイングのレヴェリングがその背後のスペースを突くことができます。
中央では、パーダーボンのロングパスを誰がおさめ、こぼれ球のセカンドボールをどちらが拾えるかがポイントになります。パーダーボンは後方からショートパスで前進するよりも、GKが前線へロングボールを蹴り込む形を多用します。そのため、シュトゥットガルトがアトレティコ・マドリード戦のように敵陣でボールを奪い取るチャンスは減る可能性があります。4バックであれば、シャボットとイェルチがパーダーボンの2トップとマッチアップします。18日前に中盤の競り合いで存在感を示したカラゾルに代わり、前線への飛び出しを得意とするプレーメルがシュティラーの隣に入るという見立てもあります。ピリンガーがロングパスを落とした後にパーダーボンがセカンドボールを拾う展開になれば、シュトゥットガルトはリードした後でも再び防戦を強いられることになります。
ホーネス監督が3バックを選択する可能性も残されています。18日前はその布陣によってパーダーボンの2トップを3人のDFで抑え込み、前半を完全に掌握しました。3バックに変更する場合でも、ヴァグノマンが務めていた右サイドの役割を誰に任せるかを決める必要があります。一方、4バックにしてエル・ハヌスまで先発に組み込めば、シュトゥットガルトは2列目から攻撃に絡む枚数をより多く確保できます。先発の布陣次第で、パーダーボンのロングパスに対する守り方とシュトゥットガルトの攻撃時の人数バランスが連動して変わってきます。
シュトゥットガルトの攻撃面では、左サイドのフューリヒとミッテルシュテットが要注目のキーマンです。18日前の先制点は左サイドからファーサイドへ送られたクロスをシャボットが頭で合わせたもので、83分の追加点はフューリヒが決めたものでした。パーダーボンの右ウイングバックのクルダは、この攻撃を食い止めながら自らもクロスを供給しなければなりません。彼が前線へ上がった後にボールを失うと、フューリヒがその裏のスペースを使うことができます。クルダが守備に釘付けになる時間が長くなれば、パーダーボンは18日前の対戦でピリンガーのヘディングシュートを引き出した右サイドからのクロスを供給しにくくなります。
スタメンと交代策も後半の戦況を左右する要素です。パーダーボンのバティスタ・マイヤーは負傷により欠場します。彼は18日前の試合終盤に立て続けに迎えた決定機の起点となっていました。ヴィドヴィッチは足の打撲により出場が不透明です。彼が出られない場合、バークが2列目で運動量をもたらすことはできるものの、ヴィドヴィッチが担っていたボールの持ち運びや縦パスの質には変化が生じます。予想通りにバークとフィリップがスタメンに名を連ねれば、ハンブルガーSV戦の後半に効果を発揮した選手たちが立ち上がりからプレーすることになります。その代わりに後半は、マリーノやティーゲスを投入してロングパスの競り合いやフィニッシュの厚みを加える形で攻撃をシフトできます。
シュトゥットガルトにとっては、先発出場が見込まれるウンダフの決定力が鍵を握ります。昨季はリーグ戦で19ゴールを挙げたものの、今季のリーグ戦7試合では得点関与がありません。チャンスを多く作ったとしても先制点を奪えなければ、パーダーボンが守備の人数を保てる時間が長くなります。逆にシュトゥットガルトが先制すれば、パーダーボンはプレスの位置やウイングバックの押し上げを再調整せざるを得ません。その局面でシュトゥットガルトがボールを保持して追加点を奪えるか、あるいは18日前の対戦のようにボールを簡単に手放して相手のクロスやセットプレーを立て続けに受けてしまうかが勝負の分かれ目になりそうです。
3. 最終判断および結論
シュトゥットガルトが先制する根拠のほうが揃っています。主力中心の先発起用が見込まれ、休養期間も長く、フューリヒとミッテルシュテットによる左サイドの崩しは同じ相手に対してすでにゴールへと結びついています。ただ、先制することと90分間のリードを守り抜くことは別の問題です。シュトゥットガルトは18日前の対戦でリードを奪った後にあっさりボールを手放し、主力を投入したアトレティコ・マドリード戦でも後半立ち上がりに同点ゴールを許しました。
パーダーボンには、相手の試合運びを揺さぶる手立てがあります。GKのロングパスはシュトゥットガルトのハイプレスを無力化でき、オーバーマイアーのクロスやセットプレーはヴァグノマンを欠く相手の右サイドの守備を突くことができます。仮にパーダーボンが先制に成功したとしても、シュトゥットガルトの左からのクロスや交代出場の攻撃陣を最後まで抑え切るだけの材料には乏しいです。ヴェルダー・ブレーメン戦では、パーダーボンは2点をリードしながらサイド攻撃を止められずに追いつかれました。
市場はシュトゥットガルトの選手層の厚さやカップ戦での実績、18日前の2点差勝利を高く評価しています。戦力面での優位性は今回も揺るぎませんが、前回の対戦での2点目はパーダーボンの決定的な同点シュートをゴールライン際で防いだ直後にようやく生まれたものでした。今回は前半の試合支配を支えた布陣が変わる可能性があり、右サイドバックも不在です。したがって、アウェイチームの戦力が上回っているという評価と、市場が示すほどの高い確率で勝利を収められるという判断は必ずしも一致しません。
シュトゥットガルトが先制し、パーダーボンが左サイドからのクロスやセットプレーで追いつく展開が最も有力だと考えます。同点に追いついた後は、一発勝負のトーナメントであることや両チームの週末のリーグ戦の日程を考慮しても、パーダーボンが攻撃の人数を際限なく増やし続ける理由は薄いです。90分間は引き分けで終わり、両チームの総得点も3ゴール以下にとどまる可能性が高いとみます。なお、この見立ては、シュトゥットガルトがリードを奪った後もしっかりボールをキープし、パーダーボンを自陣に押し込み続けられる展開になれば変わってきます。