【26-27 セリエA (イタリア)】ACミラン vs ボローニャ分析プレビュー キックオフ:10月29日 02:30 (日本時間)
ACミランとボローニャが日本時間10月29日02時30分、サン・シーロで2026-27シーズンのセリエA第9節を戦います。リーグ戦で無敗を続けるACミランは、3日後にインテルとのダービーを控えています。ボローニャはラッファエーレ・パッラディーノ監督の就任後、4試合で勝ち点7を獲得し、シーズン序盤の不振から脱しつつあります。
1. 試合概要および両チームの現状
10月27日のデータセンター順位表で、ACミランは8試合5勝3分け、勝ち点18で5位につけています。16ゴールを奪い7失点に抑え、ラツィオとともにリーグ最少失点を記録しています。ボローニャは2勝2分け4敗、勝ち点8の13位で、8得点10失点です。勝ち点差は10ありますが、ボローニャの勝ち点8のうち7点は監督交代後に獲得したものです。シーズン全体の順位だけで直近の両チームの戦力を比較するのが難しい理由がここにあります。
セリエA 8試合 試合結果: ACミラン 5勝 3分け 0敗 / ボローニャ 2勝 2分け 4敗 得点・失点: ACミラン 16・7 / ボローニャ 8・10 勝ち点: ACミラン 18 / ボローニャ 8
ACミランはリーグ戦でアタランタとウディネーゼを立て続けに破りました。直近のウディネーゼとのアウェイ戦では、ラビオやモレイラらを欠くなか4バックを敷き、2-0で勝利を収めました。オマリ・ハッチンソンとダヴィデ・バルテサーギが両サイドから攻撃に絡み、アルドン・ヤシャリのシュートをゴールキーパーが弾いたところをハッチンソンが詰めて追加点を奪いました。ただ、先制点はルカ・モドリッチが素早く蹴ったフリーキックからクリスチャン・プリシッチが裏へ抜け出した場面から生まれました。今回モドリッチがベンチスタートとなるなら、ウディネーゼ戦の攻撃の形がそのまま再現されると見るのは困難です。当時の相手が6連敗中だったウディネーゼだった点も考慮しなければなりません。
ACミランの最近のリーグ戦での得点には、アドリアン・ラビオの飛び出しとモドリッチのパスが大きく貢献していました。ラビオはアタランタ戦で1ゴールを挙げ、コーナーキックからの得点にも関与したほか、サッスオーロ戦ではモドリッチのパスを受けて先制点を決めました。ラビオはボローニャ戦の欠場が濃厚で、モドリッチはインテル戦を見据えてベンチスタートが予想されます。ラビオの代役を務めるユヌス・ムサとヤシャリは、今シーズンまだ得点やアシストがありません。ACミランがボローニャのプレッシャーを受けながらも中盤でボールを前に運び、ペナルティエリア内へと侵入できるかどうかが、直近の勝利と今回の試合との違いとなります。
ボローニャはパッラディーノ監督就任以降、2勝1分け1敗を記録しています。レッチェとカリアリをアウェイで下し、インテルにはホームで1-3と敗れました。トリノ戦ではニコロ・カンビアーギが敵陣でボールを奪い、フアン・ミランダの左からのクロスが得点につながりました。インテル戦でもミランダのボール奪取が先制点の起点となっています。カリアリ戦ではカンビアーギの突破から得たコーナーキックをミランダが上げ、ニコロ・カザーレがヘディングで叩き込みました。ボローニャはボールを長く保持しなくても、左サイドでのボール奪取やクロス、セットプレーから好機を作り出しています。
結果が上向いたとはいえ、得点力が十分になったわけではありません。ボローニャはリーグ戦8試合でわずか8ゴールにとどまっており、パッラディーノ体制での6ゴールのうち5ゴールにカンビアーギかミランダが絡んでいます。右サイドのアタッカーであるリッカルド・オルソリーニと最前線のロベルト・ピッコリは欠場します。レッチェ戦で決勝ゴールを決めたジェイ・エネムも腱のトラブルで出場が不透明です。前線にはイエンス・オドゴールやアルテム・ドフビクが入る可能性がありますが、オドゴールは今季334分間の出場で無得点です。ボローニャにとってチャンスを作る形は明確になったものの、それを仕留める選手層には変化が生じています。
両指揮官ともに守備の布陣を調整しています。ルーベン・アモリム監督はセンターバック陣の負傷により、ウディネーゼ戦で4バックを採用しました。今回もフィカヨ・トモリとハッチンソンのいる右サイド、バルテサーギのいる左サイドを活用する見込みです。パッラディーノ監督は就任以来3バックを維持しており、ボールを失うとウイングバックが下がって5バックを形成する形が予想されます。ボローニャ側もモンツァ戦を見据えてダルミアンやポベガなど先発の一部を入れ替える可能性があり、直近の試合と同じメンバー構成で臨むとは言い切れません。
日程面ではACミランのほうがより過密です。ボーンマス戦とウディネーゼ戦のアウェイ遠征に続き、6日間で3試合目を迎えることになり、ウディネーゼ戦から今節までの休養は約70時間しかありません。ボローニャはカリアリ戦から約100時間の休息を取れていますが、土曜日のモンツァ戦への備えも必要です。休息の差が直ちに試合内容の差につながるわけではありません。ACミランはウディネーゼ戦でもボーンマス戦の先発6人を続けて起用し、後半に追加点を奪いました。ただし、離脱者の多いACミランは試合途中に交代で戦況を変える選択肢が限られています。
対戦成績ではACミランが優位に立っています。直近のセリエAホーム10試合ではボローニャ相手に8勝2分けを記録しており、リーグ戦での直近2回の顔合わせもともに無失点で勝利しています。しかし、その試合の得点にはラビオ、チーク、モドリッチが絡んでいました。現在は両チームとも監督が代わり、ボローニャも4バックから3バックへと移行しています。過去の戦績はACミランの優位性を示しているものの、今回も同じような攻撃の形が通用するという確たる根拠にはなりません。
2. マッチアップ分析
ボローニャが最初に狙いを定めるのは、ACミランのビルドアップの第一歩です。パッラディーノ監督のチームはトリノ戦やインテル戦で、高い位置からボールを奪って得点へとつなげました。モドリッチがベンチに控える場合、ACミランはムサやヤシャリを経由して攻撃を組み立てる必要があります。両選手がハイプレスの中で前線へのパスを通せなければ、ボローニャは敵陣でボールを回収し、すぐさま左サイドのカンビアーギやミランダへと展開できます。ボーンマス戦でACミランは退場者を出す前からもハイプレスを受けて苦しみました。その1試合だけで同じ結末になるとは言い切れませんが、ボローニャが狙い澄ますポイントは明確です。
ACミラン側にもプレッシャーを回避する手立てはあります。メニャンやストラヒニャ・パブロヴィッチからのロングボールをゴンサロ・ラモスが収められれば、プリシッチがボローニャのウイングバックの背後へと飛び出すことができます。ウイングバックがプレスに参加した瞬間、3バックは広いエリアをカバーしなければなりません。プリシッチの斜めのランニングに対応するカザーレは、同時にペナルティエリア内でラモスも抑えなければならない状況に置かれます。一方で、ボローニャがウイングバックまで下げて素早く5バックを敷いた場合、裏のスペースは狭まります。その際、ACミランはハッチンソンやバルテサーギによるサイドアタック、マイナスのクロスやセカンドボールからのシュートで活路を見出す必要があります。
逆サイドでは、ボローニャの左サイドの攻撃がACミランの右サイドの守備をテストします。カンビアーギが内側へと絞り、ミランダが外側から攻め上がると、トモリはこの2人の動きに対応を迫られます。ハッチンソンがミランダを追って自陣まで戻ればトモリの守備負担は軽くなりますが、ハッチンソンが攻撃に絡む位置も下がってしまいます。逆にハッチンソンが右サイドから前進してクロスやシュートを試みれば、ミランダも守備に時間を割かざるを得ません。両チームともにこのエリアで主要な攻撃ルートと守備のタスクが正面衝突します。
ACミランの左サイドにも突く隙があります。ボローニャのベルナルデスキはカリアリ戦の後半、中央でより自由に動き回っていました。彼が内側へとポジションを移すと、右ウイングバックのナディル・ゾルテアがバルテサーギの攻め上がりに対応しなければならなくなります。バルテサーギはザルツブルク戦で背後へ抜け出し、ゴール前へボールを供給しました。ただし、その場面でバルテサーギにパスを出した選手は、今節欠場が濃厚なラビオでした。スペースが生じたとしても、ACミランがそこへタイミングよくボールを送り込めるかはまた別の問題です。
セットプレーはボローニャの得点期待値を引き上げる有効なルートです。カリアリ戦ではミランダのコーナーキックをカザーレが頭で仕留めましたし、ACミランはサッスオーロ戦でコーナーキックの流れから同点弾を許しています。ACミランにはセンターバックのマッテオ・ガッビアがおらず、アタランタ戦でコーナーキックから得点を挙げたマリオ・ヒラも欠場が有力視されています。ボローニャがカンビアーギとミランダのサイドアタックからコーナーキックを獲得すれば、カザーレやアルトゥール・テアテがゴール前で競り合いを優位に進められます。対照的にACミランは今季リーグ戦でコーナーキックの獲得数が最も少ないチームであり、セットプレーに攻撃を頼るのは難しい状況です。
後半は選手交代の判断が重要度を増します。ACミランが攻撃の組み立てに苦戦した場合、アモリム監督はサッスオーロ戦のようにモドリッチを投入するか、アルファジョ・チッセを入れてフィニッシャーを増やす手が考えられます。しかしダービーを控えた過密日程と限られた交代カードの兼ね合いから、その決断のタイミングはスコア状況に左右されるはずです。ボローニャは十分な休息を武器にプレッシャーを持続させられる余地がありますが、インテル戦では相手の交代選手に後半の2ゴールへ直接関与されました。ボローニャが仮に先制したとしても、5バックを固めるだけでACミランの反撃を完全に封じ込められるとは限りません。
3. 最終判断および結論
ACミランがボールポゼッションで上回り、敵陣でのプレー時間でも優位に立つ可能性が高いと見ます。ただしモドリッチがベンチスタートとなれば、ムサとヤシャリがボローニャのプレスにさらされている間に攻撃のテンポが遅れる恐れがあります。ボローニャはそのボールを奪ってカンビアーギやミランダへ預けるか、セットプレーをもぎ取ることができます。ACミランがプレスをかいくぐってプリシッチにボールを届けたとしても、ボローニャが5バックを整えた後ではフィニッシュに持ち込むスペースが限られてしまいます。
市場は順位表やリーグ戦無敗、ホームでの好成績、対戦実績を根拠に、ACミランの勝利に明確な支持を寄せています。しかし今季の得点や直近2回の直接対決で活躍したラビオは欠場が濃厚で、モドリッチもベンチからのスタートが見込まれます。ボローニャのハイプレスは、まさにそうしたメンバー変更が生じたACミランの中盤へと襲いかかります。一方でボローニャもオルソリーニとピッコリを欠いており、ボール奪取を得点へと結びつける決定力には不安を抱えています。両チームともにフィニッシャーを欠いているという事実は、シーズンの得失点データから導かれる見立てよりもロースコアな決着を予想させる要因となります。
モドリッチがベンチスタートとなる見込みを踏まえると、引き分けが最も有力な結末だと考えます。ACミランは守備陣とメニャンを中心にボローニャの好機を抑え込みつつ、プリシッチの飛び出しやサイド攻撃からゴールを狙う形となるでしょう。ボローニャは左サイドでのボール奪取とセットプレーでACミランに対抗できますが、先制に成功したとしても追加点を奪って突き放すだけのフィニッシャーが不足しています。どちらかが先制した後に追いつく展開、あるいはスコアが動かないまま拮抗した攻防が続く流れを予想します。どちらが勝つにしても1点差の接戦が濃厚で、両チームの総得点も伸びないと見ています。仮にモドリッチが先発に名を連ね、ACミランのビルドアップがボローニャのプレスを難なく無力化できるようなら、この見通しはACミランの1点差勝利へと傾きます。