【26-27 オーストラリアAリーグ】シドニーFC vs アデレード・ユナイテッド 分析プレビュー キックオフ:10月25日 13:00(日本時間)
シドニーFCとアデレード・ユナイテッドが、日本時間10月25日13時にシドニーのアリアンツ・スタジアムで対戦します。2026/2027シーズンのAリーグ初戦を引き分けたシドニーFCは、ホームで今季初勝利を狙います。一方、アジア大会で2連勝中のアデレード・ユナイテッドは、リーグ開幕戦を迎えます。勝負の鍵は、シドニーFCの立ち上がりのプレスをアデレード・ユナイテッドがどうかわすかです。
1. 試合概要と両チームの状況
シドニーFCは10月16日、ウェスタン・シドニー・ワンダラーズと0-0で引き分け、リーグ1試合で勝ち点1を獲得しました。アデレード・ユナイテッドは、まだリーグ戦を戦っていません。現在の順位はそれぞれ8位と11位ですが、消化試合数が1試合と0試合なので、戦力を比べる材料としては限られます。
最近の公式戦成績には、昨季後半から今季序盤にかけてのリーグ戦、カップ戦、アジア大会が含まれています。シドニーFCは守備に比べて得点が少なく、アデレード・ユナイテッドはアウェーでも安定して得点している一方、失点も避けられていません。
最近の公式戦 全体:シドニーFC 20試合 7勝8分5敗・24得点18失点/アデレード・ユナイテッド 18試合 7勝7分4敗・30得点23失点 今回と同じ会場条件:シドニーFCはホーム11試合で1勝6分4敗・9得点13失点/アデレード・ユナイテッドはアウェー9試合で4勝4分1敗・15得点11失点
シドニーFCが最後にホームで勝ったのは、昨季2月21日のブリスベン・ロアー戦です。それ以降、ホームでの公式戦8試合は5分3敗。直近の公式戦2試合も無得点に終わっています。9月のオーストラリア・カップ準決勝では、メルボルン・ビクトリーに先制を許したあと長くボールを保持しましたが、守備を固めた相手を崩せず0-2で敗れました。開幕戦のダービーでは戦い方を変え、よりダイレクトに前進したものの、枠内シュートは1本だけでした。ボールの運び方は違っても、ペナルティーエリア内で決定機を作れなかった点は共通しています。
アデレード・ユナイテッドは今季最初の公式戦2試合を落としたあと、AFCチャンピオンズリーグ2でタイポFCに3-0、BGパトゥム・ユナイテッドに2-1で勝ちました。タイポFC戦では前半にペナルティーエリア外からのシュートが多かったものの、後半は相手守備の間にパスを通し、エリア内からのシュートを増やしました。BGパトゥム・ユナイテッドとのアウェー戦では開始2分以内に失点しましたが、クレイグ・グッドウィンとイーサン・アラギッチのゴールで逆転しました。アイルトン・アンドリオーリ監督は、ハーフタイムにプレスをかけるタイミングを慎重に選び、ボール保持を増やすよう指示したと明かしています。ただし、GKのジョシュア・スミッツによると、最近のアジア大会の対戦相手はゴールキックでもほとんどプレスをかけてきませんでした。そこでの後方からのビルドアップを、シドニーFCのプレスを受けても続けられるかは別の問題です。
選手の顔ぶれでは、シドニーFCのジェイク・ホルマンの欠場が攻撃の組み立てに影響します。ホルマンは直近の公式戦2試合でいずれも中盤の先発を務め、ペナルティーエリア手前からシュートも放ちました。ダービーで代役を務めた上條渉も選択肢ですが、クラブは先発メンバーを発表していません。GKのガス・フーフスロート、DFのジェイコブ・ファレルとアベル・ウォラティも出場できません。彼らはダービーも欠場していたため、その試合で無失点に抑えたハリソン・デヴェニッシュ=ミアーズとアレクサンダル・ポポヴィッチ、ジョーダン・コートニー=パーキンスの守備陣は再び組めます。
アデレード・ユナイテッドは、バート・フリエンスを含む6人を欠場者として発表しています。ただし、その6人に直近のBGパトゥム・ユナイテッド戦の先発選手はいません。フリエンスの代わりに出場したソティリ・フィリスは、パナギオティス・キキアニスとともにアジア大会の2試合をフル出場しました。欠場者の数より、監督が前線をどれだけ入れ替えるかのほうが大きなポイントです。アデレード・ユナイテッドはこの試合の4日後、ライオン・シティ・セーラーズとアジア大会のグループ首位を争います。アンドリオーリ監督は、先のアジア大会2試合の間にも先発を4人入れ替えていました。一方、シドニーFCの次のリーグ戦までは6日あります。
直近の対戦2試合はいずれもアデレード・ユナイテッドが2-1で勝利しました。グッドウィンのCKとジェイ・バーネットのクロスをライアン・キットが得点につなげた場面は、今回も参考になります。ただし、当時のシドニーFCを率いていたのはウフク・タライ監督で、パトリック・キスノーボ監督のシドニーFCはまだアデレード・ユナイテッドと対戦していません。今年2月、シドニーFCが長くボールを保持した試合の結果を、今回の予想にそのまま当てはめられない理由です。
2. マッチアップ分析
シドニーFCが開幕ダービーの戦い方を続けるなら、前線の選手はスミッツとフィリス、キキアニスの最初のパスにプレスをかけ、ボールを奪ったらすぐにペナルティーエリアへ攻め込もうとするでしょう。今年2月の対戦でシドニーFCが先制した場面も、スミッツの不正確なクリアから始まりました。最近のアジア大会でゴールキックにほとんどプレスを受けなかったアデレード・ユナイテッドの後方には、これまでの2試合とは異なる課題です。
プレスでボールを奪うことと、得点することは別です。シドニーFCはダービーでダイレクトに前進して相手の後方を妨害しましたが、GKに向けた枠内シュートは1本にとどまりました。オリオラ・サンデーが中央へ持ち上がった攻撃も、ペナルティーエリアに入る前に止められました。ホルマンも不在の今回は、前線での競り合いからこぼれたボールを中盤で拾い、攻撃につなげる選手が必要です。上條渉がその役割を担う可能性はありますが、同じ働きができるかは試合で確認する必要があります。相手の守備が整う前にプレスで奪って攻められれば、ホルマンの不在は目立ちにくいでしょう。シドニーFCが長くボールを持ち、守備を固めた相手を攻める展開になれば、その穴はより大きくなります。
アデレード・ユナイテッドが短いパスで最初のプレスをかわせば、シドニーFCの前線が押し上げたあとのスペースを使えます。アラギッチは今季のアジア大会2試合でいずれも得点しており、昨年10月のシドニーFC戦でもペナルティーエリア外からゴールを決めました。シドニーFCの中盤と最終ラインの間でボールを受ければ、自らシュートを狙うことも、サイドへ展開することもできます。ホルマンの位置に入る選手には、攻撃をつなぐだけでなく、そのエリアの守備も求められます。アデレード・ユナイテッドがプレスをかわしきれなければ、シドニーFCのショートレンジの攻撃が先に出る可能性もあります。
サイドにも、アデレード・ユナイテッドには形の見えている得点パターンがあります。直近の対戦では、グッドウィンのCKとバーネットのクロスがどちらもキットのゴールにつながりました。グッドウィンは今季の公式戦4試合でサイドの選手としてプレーし、3ゴールを挙げています。シドニーFC主将のライアン・グラントも、彼を最も危険な選手に挙げました。グラントがダービーと同じくサイドバックで出場すれば、グッドウィンと直接対峙します。シドニーFCはダービーを無失点で終えましたが、相手にペナルティーエリア内から11本のシュートを許しました。ハリソン・デヴェニッシュ=ミアーズが枠内シュート2本を止めた守備陣は、今回もアデレード・ユナイテッドのクロスとエリア内への侵入に対応しなければなりません。
このサイド攻撃には、先発と天候という条件もあります。グッドウィンとバーネットが先発すれば、アデレード・ユナイテッドは試合開始から前回と同じ形を狙えます。前線を入れ替えれば前半の脅威は下がる一方、後半にフレッシュな選手を投入できます。オープンメテオの予報では、キックオフ時のスタジアム周辺の気温は29.9度、最大瞬間風速は時速48.2kmです。予報どおりなら、シドニーFCのロングボールもアデレード・ユナイテッドのクロスやCKも、精度を保つのは簡単ではありません。短いパスでプレスをかわす力と、ボールを奪った直後に地上でつなぐ攻撃がより重要になりそうです。
後半の選手起用も勝敗を左右します。キスノーボ監督はダービーで最初の交代を66分に行い、残りの交代の大半を80分以降に使いました。アンドリオーリ監督はタイポFC戦で56分と67分に前線の選手を交代し、67分に投入したグッドウィンが8分後に得点しました。BGパトゥム・ユナイテッド戦では、ハーフタイムにプレスのタイミングとボール保持の仕方を調整しています。1試合ずつの采配を、今回の交代時期が確定したものとして見ることはできません。それでも、暑さの中でシドニーFCが立ち上がりから多くの運動量を費やし、リードを奪えなければ、後半はアデレード・ユナイテッドの修正や交代がより大きな影響を与える可能性があります。
3. 最終判断と結論
シドニーFCが序盤にスミッツと2人のセンターバックのパスを奪えれば、先制のチャンスはあります。ただ、直近2試合は無得点で、今回はホルマンを欠く中でペナルティーエリア手前の攻撃をつなげなければなりません。アデレード・ユナイテッドが短いパスとボール保持で最初のプレスを越えれば、暑い時間帯にシドニーFCが前線で費やした運動量は、後半まで効果を保ちにくいと私たちは見ています。その後はアラギッチの中盤からの飛び出しや、途中出場の攻撃陣がアウェーチームの得点につなげる可能性をやや高く評価します。
市場はホーム開催とアデレード・ユナイテッドの欠場者、週中の日程を踏まえ、シドニーFCをやや有利と見ているようです。しかし、出場できない6人の中に直近の試合の先発選手はおらず、シドニーFCはホルマンを欠いた状態で得点難を解消する必要があります。気温と風が予報どおりなら、シドニーFCの序盤のプレスやロングボールにも負担がかかります。アデレード・ユナイテッドが最近の試合の主力をどれだけ先発で起用するかは、この見立てを左右する要素です。
予想スコアはホームのシドニーFCから見て0-1か0-2で、1点差をより有力と見ます。アデレード・ユナイテッドが序盤のプレスをかわし、後半60~75分にアラギッチや途中出場の攻撃陣が仕掛けて先制し、その後はボール保持を増やす展開です。シドニーFCが終盤に攻撃の人数を増やして生まれたスペースを使い、アデレード・ユナイテッドが追加点を挙げれば0-2もあります。この予想は、アデレード・ユナイテッドの後方がプレスを受けても最初のパスをつなげることが前提です。シドニーFCが最初の30分以内にそのパスを遮断して先制すれば、想定した試合展開は変わります。