[26-27 UCL 欧州チャンピオンズリーグ] VfBシュトゥットガルト vs アトレティコ・マドリード 分析プレビュー 試合開始: 10月21日 04:00 (日本時間)
VfBシュトゥットガルトとアトレティコ・マドリードが日本時間10月21日04時、シュトゥットガルトのMHPアレーナでUEFAチャンピオンズリーグ リーグフェーズ第3節を戦います。国内リーグではアトレティコ・マドリードが上位につけていますが、チャンピオンズリーグではシュトゥットガルトが先に2勝を挙げています。ホームチームのプレスとクロスがアウェイチームの守備を崩せるのか、アトレティコ・マドリードがそのプレスをかいくぐってサイドバックの背後へ前進できるのかが鍵となります。
1. 試合概要および両チームの現状
今季の成績 チャンピオンズリーグ: シュトゥットガルト 2勝・6得点1失点・4位 / アトレティコ・マドリード 1勝1敗・3得点2失点・15位 国内リーグ: シュトゥットガルト 6試合2勝4敗・13位 / アトレティコ・マドリード 9試合7勝1分1敗・2位 直前試合: シュトゥットガルト ハンブルガーSV遠征 0-1 敗戦 / アトレティコ・マドリード エスパニョール遠征 1-0 勝利 主な離脱者: シュトゥットガルト ダン=アクセル・ザガドゥ、ティアゴ・トマス、ジャスティン・ディール / アトレティコ・マドリード クリスティアン・ロメロ、コケ
シュトゥットガルトのチャンピオンズリーグでの2勝は、バイキングFKとスロヴァン・ブラチスラヴァを相手に挙げたものです。一方、ブンデスリーガでは6試合中4試合で敗れました。バイエルン・ミュンヘン遠征では1-5で敗れ、ドルトムントとハンブルガーSVを相手には無得点に終わっています。欧州カップ戦の順位だけで今節の戦力を判断するのが難しい理由です。セバスティアン・ホーネス監督は、チャンピオンズリーグで先に2勝を挙げている分、今節で獲得する勝ち点は上積みの成果と捉えています。ただ、キャプテンのデニズ・ウンダフは最近のリーグ戦での不振をチームの課題として認めています。シュトゥットガルトはこの試合の3日後、メンヒェングラートバッハとのリーグ戦(ホーム)も控えています。
直近のリーグ戦での敗戦は、原因がそれぞれ異なっていました。ホッフェンハイム戦ではボールロスト後、守備陣の背後へ通されたロングパスから2失点を喫しました。ドルトムント戦ではポゼッション率で上回ったものの、ゴール期待値(xG)は0.87にとどまりました。ハンブルガーSV戦ではシュート24本、期待値1.69を記録しながらも、デミロヴィッチの至近距離からのヘディングシュートの決定機などをゴールに結びつけられませんでした。直近4試合の期待値合計は7.22、実際の得点は5点です。この数字は異なる大会の4試合のみを集計したものであり、シュトゥットガルトが今後も同じ水準のチャンスを作り続けられる保証ではありません。特にアトレティコ・マドリードの守備陣は、最近のリーグ戦の相手よりもはるかに手ごわい試練となる可能性があります。
アトレティコ・マドリードは公式戦6連勝でこの試合を迎えます。連勝中は14得点2失点、全試合で先制点を奪っています。ディエゴ・シメオネ監督はエスパニョール戦でフリアン・アルバレスとアレハンドロ・バエナをベンチスタートに据え、出場時間をコントロールしました。今節は両選手が先発復帰すると見込まれています。チャンピオンズリーグではリヴァプール遠征での敗戦後、マンチェスター・ユナイテッドをホームで破りました。勝ち点3のアトレティコ・マドリードは、上位戦線に浮上するためにアウェイでの結果が求められる状況です。
連勝のスコアほど、試合内容が一方的だったわけではありません。レアル・マドリード戦の先制点は相手の退場につながったPKから生まれ、マンチェスター・ユナイテッド戦の追加点やアラベス戦の決勝点も相手が10人になった後に生まれました。エスパニョール戦は11人対11人で戦いましたが、決勝点が生まれたのは89分でした。直近でゴール期待値・失点期待値が集計された4試合で、アトレティコ・マドリードは期待得点7.30、期待失点2.90を記録しています。守備の数値は良好ですが、このうち3試合には数的優位の時間帯が含まれています。シュトゥットガルトのプレスをアウェイで11人対11人として受ける際にも同様の差を維持できるかは別問題です。
選手構成では、アトレティコ・マドリードのセンターバックに変更があります。クリスティアン・ロメロは9月中旬以降7試合連続で先発出場していましたが、内転筋の負傷により遠征メンバーから外れました。ロメロが出場していた期間に失点は減少したものの、その変化を選手1人の影響と断定することはできません。それでも、シュトゥットガルトがクロスに合わせてペナルティエリア内へ人数を送り込むチームであることを考えると、彼の離脱は重要な要素です。コケも左太ももの負傷で欠場します。アトレティコ・マドリードはコケ不在で戦った直近2試合をいずれも無失点で勝利しています。ただ、ジョニー・カルドーゾがコンディション回復途上のため、パブロ・バリオスと中盤を組む選手はまだ定まっていません。
シュトゥットガルトでは、センターバックのダン=アクセル・ザガドゥが欠場します。アミーン・アル・ダキルは練習に復帰したものの出場可否が決まっておらず、試合中にセンターバックの交代が必要になった場合の選択肢が限られる可能性があります。左サイドのマクシミリアン・ミッテルシュテットは、かかとの問題で2試合を休んだ後、チーム練習に合流しました。ホーネス監督は先発起用も可能と述べていますが、実際の出場はまだ見通しの段階です。ミッテルシュテットはホッフェンハイム戦の同点ゴールやパーダーボルン07戦の先制クロスの起点となった選手です。彼が出場するかどうかによって、シュトゥットガルトの左サイドの攻撃と守備の位置取りがともに変わってきます。
両チームの公式戦での対戦は今回が初めてです。2018年の親善試合(1-1)は、現在のスカッドの相性を測る材料にはなりません。アトレティコ・マドリードの過去のドイツ遠征での黒星も、異なるシーズンのスカッドによる記録です。両チームとも10月17日にアウェイ戦を戦い、同じ休養期間を経ており、キックオフの時間帯には雨や強風の予報も出ていません。日程や天候よりも、ピッチに立つ選手と試合中の立ち位置の選択が展開に直接影響を与えるはずです。
2. マッチアップ分析
シュトゥットガルトは敵陣でマンツーマン気味のプレスをかけ、攻撃時にはサイドバックを高くまで押し上げるチームです。ホーネス監督はアトレティコ・マドリードの攻守の切り替えの速さを警戒し、ボールの背後に十分な人数を残すと話しました。この選択は失点リスクを減らせる一方で、攻撃にも影響を与えます。ヨシャ・ヴァグノマンや左サイドバックの上がる頻度が減れば、エルメディン・デミロヴィッチやジェフ・シャボットを狙ったクロスも減少する可能性があります。シュトゥットガルトがどの位置でボールを奪い、どのタイミングでサイドバックを上げるかが攻守両面を左右します。
アトレティコ・マドリードには、そのプレスをかいくぐれる選手が揃っています。リヴァプール遠征での先制点では、アルバレスが低い位置まで下がってボールを引き出し、前進してディフェンスラインの裏へ抜けたマルコス・ジョレンテへパスを通しました。イ・ガンインもマンチェスター・ユナイテッド戦で中盤まで降りてボールを受け、長い前線へのパスで先制点の起点となりました。シュトゥットガルトのディフェンダーが下がってくるアタッカーについて押し出せば、その背後のスペースを他のアタッカーに狙われます。ついていかなければ、アルバレスやイ・ガンインが前を向いてボールを受ける余地が生まれます。ただし、最初のパスをシュトゥットガルトに引っ掛けられれば、ボールを失ったアトレティコ・マドリードのセンターバックは即座にカウンターに晒されます。リヴァプール戦やアスレティック・ビルバオ戦では、アトレティコ・マドリードが自陣でボールを失った直後に失点する場面が見られました。
サイドでは、シュトゥットガルトの攻撃がアトレティコ・マドリードのカウンターの契機になる可能性もあります。ミッテルシュテットが左サイドからクロスを上げるために攻め上がると、アトレティコ・マドリードの右サイドに構えるジュリアーノ・シメオネやジョレンテがその背後のスペースを突くことができます。ホッフェンハイムはシュトゥットガルトのボールロスト直後に深い位置へのパスを通して得点しました。逆にミッテルシュテットではなくラモン・ヘンドリクスが起用され、ホーネス監督がサイドバックの位置取りを慎重にコントロールすれば、アトレティコ・マドリードがそのスペースを使う機会は減ります。その場合、シュトゥットガルトはネガティブトランジションの守備を強化できる反面、左からのクロスによる攻撃の好機は減ることになります。
アトレティコ・マドリードがケアすべきエリアは、ロメロが不在となるペナルティエリア中央です。シュトゥットガルトはパーダーボルン07戦でジェフ・シャボットのヘディングで先制し、スロヴァン・ブラチスラヴァ戦ではヨシャ・ヴァグノマンのグラウンダーのクロスからオウンゴールを誘発したほか、エルメディン・デミロヴィッチもヘディングで得点を決めました。デミロヴィッチは今季のチャンピオンズリーグ2試合で4ゴールを挙げています。デニズ・ウンダフが降りてディフェンダーの間でボールをつなぐ際、センターバックはウンダフについていくか、デミロヴィッチの横でクロスを警戒して残るかの判断を迫られます。ロメロの代わりにマルク・プビルがダヴィド・ハンツコとセンターバックを組むと予想されていますが、ディエゴ・シメオネ監督がディフェンスの枚数を増やす布陣を選択する可能性も残っています。布陣と先発が確定する前は、ロメロの欠場が即座にシュトゥットガルトの空中戦優位につながると決めつけることはできません。
中盤では、アンジェロ・シュティラーの前線への配球とバリオスのプレス耐性がポイントになります。シュティラーは今季出場した8試合すべてに先発して4アシストを記録しており、バイキングFK戦ではゴールライン際まで侵入してデミロヴィッチの得点をアシストしました。その隣に守備的なアタカン・カラゾルが入るか、攻撃志向の強いグリシャ・プレーメルが入るかによってもボール後方に残る枚数が変わります。アトレティコ・マドリードはコケ不在の中、バリオスを中心にファーストパスをつながなければなりません。バリオスがプレッシャーを受けながらも前を向いてボールを引き出せればアルバレスへの配球ルートが拓けますが、その前で奪われればシュトゥットガルトに高い位置からショートカウンターを許すことになります。
後半の試合運びにも違いがあります。シュトゥットガルトは直近の公式戦10試合で、前半をリードして折り返した5試合は全勝しているものの、同点またはビハインドで折り返した5試合は全敗しています。前半のスコア別の結果には対戦相手やチャンス創出の違いも含まれるため、今節の結末を決定づけるルールではありません。ただ、前半にリードを奪った試合ではしっかりと勝ち切る試合運びを見せてきました。アトレティコ・マドリードは直近公式戦10試合中、前半を同点で終えた7試合のうち4勝を挙げています。ディエゴ・シメオネ監督はアラベス戦とエスパニョール戦でハーフタイムに前線を入れ替え、アレハンドロ・バエナとフリアン・アルバレスは後半の決勝点に関与しました。シュトゥットガルトが立ち上がりのプレスで先行できず、試合が60分以降まで同点のまま推移した場合、アウェイチームは交代選手の力を活かした展開が期待できます。
とはいえ、同点の時間が長く続いたからといって、アウェイチームの得点に直結するわけではありません。アトレティコ・マドリードはエスパニョール戦でボール支配率71%、シュート19本を記録しながらも89分まで得点を奪えませんでした。シュトゥットガルトがサイドバックを上げずに低い位置でブロックを組めば、アトレティコ・マドリードが狙う背後のスペースも狭まります。ホーネス監督の守備優先の判断とシメオネ監督の布陣変更が重なれば、両チームともに相手の主要な得点ルートを塞ぎ合ったまま後半を迎える可能性があります。
3. 最終判断および結論
予想スコアはシュトゥットガルト 1-2 アトレティコ・マドリードです。両指揮官が相手の攻撃ルートを強く警戒しているだけに、最初の得点は後半までもつれ込む可能性が高いと見ています。シュトゥットガルトが立ち上がりのプレスでボールを奪ったとしても、ボール後方に人数を残す間はデミロヴィッチやシャボットへのクロスが制限されかねません。アトレティコ・マドリードはエスパニョール戦で主力FWの出場時間をセーブしており、試合途中のアタッカー交代から得点を生み出した実績もあります。同点の膠着状態が長引けば、交代カードとカウンターの精度を活かしてアウェイチームが先にリードを奪う展開がより有力と考えられます。
ビハインドを背負ったシュトゥットガルトはサイドバックを押し上げ、ロメロの抜けたペナルティエリアへクロスを放り込んでくるはずです。この攻撃は追撃の足がかりとなる一方で、アトレティコ・マドリードにとっては手薄になったサイドバックの背後へ侵入する格好の機会にもなります。シュトゥットガルトがホッフェンハイム戦やバイエルン・ミュンヘン戦で同点に追いついた直後に再び失点を許したプロセスが、その危険性を如実に物語っています。ホームチームの空中戦による得点の可能性を織り込みつつも、後半の選手層とトランジション局面の強さを根拠に、アトレティコ・マドリードの1点差勝利を有力視します。
市場はアトレティコ・マドリードのリーグ順位や6連勝、シュトゥットガルトの直前の敗戦を根拠にアウェイチーム優勢に傾いています。勝敗の方向性については同様の判断ですが、より大きな点差やハイスコアを織り込む市場の動きには慎重にならざるを得ません。両監督が相手の得意な得点ルートを真っ先に消しにかかれば先制点は遅くなる可能性があり、ロメロの不在はシュトゥットガルトが追いすがる場面で点差を縮めうるクロス攻撃の隙を残します。シュトゥットガルトが前半に先制するか、あるいはホーネス監督の慎重策に反して試合開始から両サイドバックを同時に高く上げるような展開になれば、想定される得点順や最終的な点差は変わってくる可能性があります。