【26-27 AFCチャンピオンズリーグ】上海海港 vs コンアン・ハノイ 分析プレビュー 試合開始:10月27日 19:00(日本時間)
上海海港とコンアン・ハノイが10月27日19時、上海浦東サッカースタジアムでAFCチャンピオンズリーグ リーグフェーズ東地区第3節を戦います。勝ち点4の上海海港はベスト8圏内入りを目指してホームでの勝利を狙い、2連敗で勝ち点のないコンアン・ハノイは大会初の勝ち点を求めています。勝負の焦点は、コンアン・ハノイが上海海港のプレッシャーを受けながらも後方からビルドアップを試みるかどうかにあります。
1. 試合概要および両チームの現状
上海海港はアウェイのラーチャブリー戦を6-4で制し、ホームの大田ハナシチズン戦を1-1で引き分けて、2試合で7得点5失点を記録しています。一方のコンアン・ハノイはガンバ大阪とのアウェイ戦を1-4、鹿島アントラーズとのホーム戦を0-1で落としました。データセンターが2010シーズン以降保持している記録において、両チームの対戦成績はありません。今回の対戦では過去の対戦データよりも、直近のアジア大会で見せた戦いぶりの方が有用な判断材料となります。
チーム成績 上海海港:大会2試合 7得点5失点 / 勝ち点4 コンアン・ハノイ:大会2試合 1得点5失点 / 勝ち点0
上海海港は国内リーグやアジア大会などを合わせて12試合連続で負けがありません。ただ、データセンターの直近の公式戦記録を見ると、ホーム9試合は3勝5分け1敗だったのに対し、アウェイ11試合は8勝1分け2敗でした。1試合平均の得点はホームが1.33ゴール、アウェイが2.55ゴールにとどまっています。アウェイでの大量得点傾向を、そのまま今回のホームゲームの得点見通しに当てはめるのは危険です。
また、ホームゲームにおける攻撃内容にもムラが見られます。大田ハナシチズン戦では支配率63%を記録したものの、ペナルティエリア内からのシュートは4本にとどまり、相手には9本を許しました。一方で北京国安戦では21本のシュートを放ちながら0-0のスコアレスドローに終わっています。2試合とも引き分けではありましたが、チャンスを作り出すプロセスは異なっていました。アジア大会のホームで7試合未勝利というデータもありますが、集計期間が示されていないため、現在のスカッドの成績としてそのまま捉えることはできません。
上海海港の直近の攻撃では、プリンス・アンペムとレオナルドの存在感が際立っています。アンペムはラーチャブリー戦の前半だけで3ゴールを奪い、大田ハナシチズン戦でも先制点を挙げました。レオナルドは直前の天津津門虎戦で2ゴール1アシストを記録しています。武磊(ウー・レイ)はこれまでのアジア大会2試合にいずれも先発出場しており、天津津門虎戦は出場を回避しました。ジャウメ・グラウもアジア大会2試合でともに先発フル出場しています。ケヴィン・マスカット監督が今節で彼らをどのように配置するかは確定していませんが、国内リーグとは異なる前線の組み合わせを選ぶ余地があります。
コンアン・ハノイの2敗についても、攻撃のチャンスがまったく作れなかった試合と決めつけることはできません。鹿島アントラーズ戦では17本のシュートを放ちながら0-1で競り負けました。ガンバ大阪戦でも立ち上がりに好機を演出し、最終的には15本のシュートを記録しています。課題はそれらをゴールへ結びつけられなかった点と、自陣でのボールロストがそのまま失点につながった点にあります。ガンバ大阪戦の67分にはドアン・ヴァン・ハウが自陣ペナルティエリア前でボールを奪われ、鹿島アントラーズ戦の61分にも彼のロストから始まったアタックがオウンゴールへとつながりました。アレクサンドル・ポルキング監督は鹿島アントラーズ戦の後半立ち上がり15分間で8回もボールを奪われたと振り返っています。
コンアン・ハノイは鹿島アントラーズ戦の後にハノイFCにも敗れ、タインホアと引き分けたことで、公式戦3試合勝ちがありません。タインホア戦ではグエン・クアン・ハイ、ドアン・ヴァン・ハウ、ステファン・マウクが先発を外れました。彼らは今節起用される可能性がありますが、前節のスタメン落ちがアウェイ遠征を見据えた休養だったと断定できる根拠はありません。確定している欠場者はグエン・ディン・バックです。VTCニュース(10月25日)によると、怪我はないものの上海遠征に帯同していません。ガンバ大阪戦では途中出場から左サイドを切り裂いて反撃の1点の起点となった選手だけに、ポルキング監督はビハインド時に切れる有効な攻撃のカードを1枚失うことになります。
日程面ではコンアン・ハノイの方がやや有利です。上海海港が天津津門虎とのアウェイ戦から中2日で迎えるのに対し、コンアン・ハノイはタインホア戦から5日間の準備期間を確保できました。ポルキング監督は選手たちのコンディションを整えるため、上海に2日前乗りしたと明かしています(テタオ・ヴァンホア、10月26日)。上海海港にとっても過密日程は先発起用や交代策に影響を及ぼす可能性があります。ただ、ウー・レイが直前のリーグ戦を欠場し、レオナルドが直近のアジア大会2試合でともに途中出場しているように、マスカット監督はコンペティションごとにプレー時間をうまく管理してきました。
2. マッチアップ分析
上海海港のプレッシングが機能するためには、コンアン・ハノイが自陣でパスをつなごうとするシチュエーションが必要です。上海海港はアウェイのラーチャブリー戦でも敵陣からのハイプレスで試合に入り、直近の試合でもボール奪取からの素早い前進や、相手が前がかりになった背後のスペースを突いてゴールを陥れてきました。コンアン・ハノイはガンバ大阪や鹿島アントラーズを相手にアグレッシブに攻撃を仕掛けながらも、自陣後方でのボール処理で致命的なミスを犯しました。今回もショートパスで上海海港のファーストプレッシャーを掻い潜ろうとするなら、ボールを失う位置がそのまま失点に直結する危険を孕んでいます。
ポルキング監督には別のゲームプランも考えられます。まずは勝ち点1を拾うことが目標であれば、ロングボールを織り交ぜて自陣深くでボールを触る回数を減らし、守備ブロックのコンパクトさを維持するアプローチです。その場合、上海海港にとってはショートカウンターから素早く前進する機会が減ることになります。大田ハナシチズン戦のように、長い時間ボールを保持しながらペナルティエリア内にパスを差し込まなければなりません。上海海港が直近のホームゲームでアウェイほど点を取れていないという事実は、この展開を警戒すべき理由になります。もっとも、ホームでの引き分けがすべて相手の同様の守備戦術によるものだったと結論づけることはできません。
上海海港が相手の守備をこじ開けるもう一つのルートはサイド攻撃です。大田ハナシチズン戦の先制点は、マテウス・ヴィタウが右サイドの深い位置まで切り込んでマイナスに折り返したボールをアンペムが仕留めた形でした。コンアン・ハノイが中央を固めてきても、ヴィタウがサイド深くへ進入できれば、エリア内のアンペムへ精度の高いグラウンダーのパスを供給できます。コンアン・ハノイはガンバ大阪戦で右サイドからのクロスに対してほぼフリーでヘディングを許し、鹿島アントラーズ戦でも低いクロスをクリアしきれずに失点しています。逆にコンアン・ハノイがヴィタウの突破を阻んでゴールライン際まで持ち込ませなければ、上海海港は大田ハナシチズン戦のように高いポゼッション率を保ちながらもエリア内からのシュートを十分に放てなくなる可能性があります。
コンアン・ハノイ側にも上海海港のディフェンスを突く手立てはあります。大田ハナシチズンは上海海港のペナルティエリア内から9本のシュートを放ちました。54分にはウェイ・ジェンがニアサイドでクロスをクリアしきれず、ディオゴ・オリベイラに頭で同点弾を叩き込まれました。コンアン・ハノイもガンバ大阪戦の立ち上がりにドアン・ヴァン・ハウのクロスからアラン・グラフィーテのヘッド、さらにダビド・ヘネンの右サイド突破からビッグチャンスを作っています。ドアン・ヴァン・ハウが今節出場すればサイドアタックの推進力となりますが、過去2戦で露呈した自陣でのボール処理の粗さも同時に改善しなければなりません。コンアン・ハノイがクロスを上げるチャンスを得るためには、まず上海海港のプレッシャーを剥がしてサイドへ展開する必要があります。
前線からの守備では、ブラヤン・ペレアの動きにも注目です。彼はガンバ大阪戦で相手のパスミスを見逃さずにカットし、グエン・クアン・ハイとのワンツーから強烈なシュートを放ってクロスバーを叩きました。上海海港がホームで長くボールを持つ展開になれば、ペレアが後方のパス回しを狙い撃ちにする場面も出てくるはずです。上海海港はビルドアップの局面で、ペレアがどのポジションから圧力をかけてくるかを警戒しなければなりません。コンアン・ハノイとしてはボールを奪い取った後、ペレアのフィニッシュやサイドからのクロスを確実にゴールへ結びつけてこそ試合の主導権を引き寄せられます。これまでのリーグフェーズ2試合でコンアン・ハノイが挙げた得点はわずか1ゴールにとどまっています。
先制点が入った後の両指揮官のベンチワークも鍵を握ります。コンアン・ハノイはガンバ大阪戦で0-1とリードされた後半にラインを押し上げ、その背後を突かれて追加点を許しました。ポルキング監督が今回も同じ手を打つなら、上海海港はボールを奪って攻め上がる広大なスペースを得ることになります。マスカット監督は大田ハナシチズン戦の63分にレオナルドを含む3枚替えを敢行し、ラーチャブリー戦でも64分にレオナルドを投入しました。ただし、その選手交代は大田ハナシチズン戦での引き分けを勝利に変えるまでには至りませんでした。今節でレオナルドの投入が実を結ぶかどうかは、彼がピッチに入った際のコンアン・ハノイのライン設定とスコア状況が、アタッキングスペースを生み出しているかにかかっています。
3. 最終判断および結論
上海海港の勝利がより有力であると見ています。コンアン・ハノイはアジア大会の舞台でも攻撃の形こそ作れているものの、自陣後方でのミスを無失点で切り抜けることができていません。ポルキング監督は勝ち点1でも上出来と話していたガンバ大阪戦でも後方からのビルドアップにこだわり、リードを許した後は最終ラインを押し上げました。上海海港はそのようなシチュエーションであれば、プレッシングと鋭い速攻で相手ゴールに迫ることができ、後半にはレオナルドを投入して攻勢を強める選択肢も持っています。
市場では当初の観測に比べ、上海海港の大勝に対してやや慎重な見方が強まっています。上海海港が直近のホームゲームで引き分けが続いている点や、過去のアジア大会ホームで未勝利が続いているデータも、大差での勝利を予想するうえで慎重にさせる材料です。しかし、コンアン・ハノイがビルドアップで自滅したり、失点後に前がかりになったりすれば、上海海港は最近のホーム戦で手を焼いた展開とは全く異なるスペースを得ることになります。コンアン・ハノイがビハインド時に左サイドを切り崩せるグエン・ディン・バックを欠いて反撃に出なければならない点も、点差が広がる可能性を高めています。
予想スコアは上海海港から見て3-1または3-0と予想します。上海海港がコンアン・ハノイの後方ビルドアップをハイプレスで絡め取って先制し、コンアン・ハノイが初勝ち点を目指して前傾姿勢を強めた後半に、途中出場の攻撃陣がダメ押しゴールを奪う展開が基本線です。コンアン・ハノイもサイドからのクロスで1点を返すチャンスはありますが、前がかりになることで生じる背後のスペースを埋めきるのは困難です。もしポルキング監督がロングボールでプレッシャーを回避し、守備ブロックの規律を保って0-0のまま60分を耐え凌ぐようならこの予想シナリオは崩れ、ドローや1点差のロースコアゲームに傾くことになります。