【26-27 UEFAヨーロッパリーグ】ACスパルタ・プラハ vs リレストロム 分析・プレビュー キックオフ:10月16日 01:45(日本時間)
ACスパルタ・プラハとリレストロムは日本時間10月16日1時45分、プラハのエペット・アリーナでUEFAヨーロッパリーグのリーグフェーズ第2節を戦います。第1節に勝利したスパルタ・プラハはホームでさらに勝ち点を積み上げたいところです。一方、26年ぶりに欧州大会の本戦に戻ってきたリレストロムは、初戦の敗北を挽回したいところです。公式戦で初めて顔を合わせる両チームの焦点は、リレストロムのプレスが、変化のあったスパルタ・プラハの中盤と守備陣をどこまで揺さぶれるかです。
1. 試合概要と両チームの状況
スパルタ・プラハはアララト・アルメニアとのアウェー戦に4-1で勝利し、リレストロムはホームでSCUトレンセに1-2で敗れました。スパルタ・プラハはシーズン序盤のチェコリーグで4敗を喫し、ブライアン・プリスケ監督の去就も取り沙汰されましたが、その後は公式戦5連勝でリーグ3位まで浮上しています。ただ、直近のパルドゥビツェ戦は2-0で勝ったものの、早い時間に先制した後は前半の主導権を手放し、GKヤクブ・スロブチクの好セーブでリードを守りました。連勝が立て直しの証しであるのは確かですが、試合内容まで毎回安定していたわけではありません。
リレストロムは2025年にノルウェー2部でプレーしながらノルウェーカップを制し、昇格とヨーロッパリーグ出場権を同時に手にしました。今季のエリテセリエンでは、モルデ戦を前に22試合で10勝3分け9敗、6位につけていました。モルデと2-2で引き分けた後も順位は変わっていません。直近10試合の成績は3勝4分け3敗です。SCUトレンセ戦では長くボールを保持し、21本のシュートを放ちながら得点は1にとどまりました。一方、モルデ戦ではダニエル・バッシがカウンターから前進し、フェリックス・ヴァの同点ゴールをお膳立て。2度リードを許しながら引き分けに持ち込みました。攻撃を主導する時と、相手にボールを持たせる時の違いが表れた試合です。
今回チェックしたいポイント 最近の流れ:スパルタ・プラハは公式戦5連勝/リレストロムは直近10試合で3勝4分け3敗 今大会第1節:スパルタ・プラハはアララト・アルメニアとのアウェー戦に4-1で勝利/リレストロムはSCUトレンセとのホーム戦に1-2で敗戦 主な欠場者:スパルタ・プラハはアダム・カラベツ、マテイ・リネシュ、ロイク・ムベ・ソ/リレストロムはエスペン・ガルナス、カミル・ジェバラ
プリスケ監督は、4バックと3人の中央MFを組み合わせる形を維持してきました。この布陣で主将のアダム・カラベツは、ボールを奪った後に前方へ素早く送るパスや自らのシュート、コーナーキックを担っていました。足首の靱帯を負傷したカラベツは、この試合も出場できません。パルドゥビツェ戦ではパトリク・ヴィドラとフーゴ・ソフレクが中盤の役割を分担しました。ロマン・マチェクのコーナーキックからヤロスラフ・ゼレニーがヘディングで決め、セットプレーからの得点は続きましたが、カラベツが担っていた攻撃への切り替えまで同じように代替できたとは言い切れません。
守備陣も再編が必要です。左SBのリネシュとCBのムベ・ソが欠場。パルドゥビツェ戦で足首の痛みを訴えて交代したゼレニーについて、監督は出場可能との見方を示していますが、長い時間プレーできるかは不透明です。ホシマル・アルコセルについても、出場の準備が整ったという監督の説明と、出場が不確実だという試合前報道の両方があります。アルコセルが先発すれば、左サイドから相手DFをかわしてゴール前へボールを送る攻撃が期待できます。別の選手を起用すれば、サイドの役割も変わります。
ハンス・エリク・オーデゴール監督率いるリレストロムは4-3-3を基本に、相手GKやDFにプレスをかけ、ボールを奪えば前線へ素早く運びます。フェリックス・ヴァは今季のエリテセリエンで5ゴール5アシストを記録。1対1の突破とカウンターのフィニッシュを担っています。最前線はフレドリク・グルブランセンとトーマス・レーネ・オルセンのどちらを先発させるかで、プレスのかけ方や後半の交代策が変わります。オルセンは今季、途中出場から得点した試合が複数ありますが、直近のモルデ戦では先発しました。CBガルナスの欠場は、すでに代役を務めてきたサンデル・モエン・フォスとルーベン・ガブリエルセンのポジションに関わる問題です。
両チームは公式戦で対戦したことがなく、直接の対戦成績はありません。試合までの日程もほぼ同じで、どちらも現地時間10月11日にリーグ戦を戦いました。ただ、リレストロムはこの試合のキックオフから約2日22時間後にサンデフィヨルとのアウェー戦を控えています。これはオーデゴール監督の後半の交代策に影響する可能性がありますが、試合前の段階で主力を外すと決まっているわけではありません。プラハではキックオフ時に雨や強風の予報がなく、天候が両チームのロングパスやクロスを妨げる可能性も低そうです。
2. マッチアップ分析
ボールを長く保持するのはスパルタ・プラハになる可能性が高いですが、重要なのは保持時間よりも、自陣からボールを前進させる過程です。リレストロムがGKとCBにプレスをかければ、スパルタ・プラハはカラベツを経由して前線に送っていたルートを、別の選手で作る必要があります。短いパスが封じられれば、ヨナタン・ブラウト・ブルネスを狙うロングパスが増え、その後のセカンドボール争いも多くなりそうです。リレストロムがこぼれ球を先に拾えば、ヴァへ素早くつなぐチャンスが生まれます。
一方で、プレスにはリレストロム側のリスクもあります。スパルタ・プラハが中盤からボールを前進させるか、ロングパスの後にセカンドボールを回収できれば、前へ出たリレストロムの守備ラインの裏へジョン・メルカドが走り込めます。メルカドはデータセンターに記録された今季5試合で先発し、412分の出場で4ゴールを挙げています。シーズン序盤、引いて守る相手を崩せず苦しんだスパルタ・プラハにとっては、前から来る相手が攻撃のスペースを与えてくれる可能性もあります。プレスの後にどちらがボールを確保するかで、同じ戦術のぶつかり合いが異なる方向へ転じます。
序盤はリレストロムの攻撃機会に注目です。スパルタ・プラハはアララト・アルメニア戦の立ち上がりにサイドの守備人数が足りない場面を許し、パルドゥビツェ戦でも先制後に前半のチャンスを何度も与えました。プリスケ監督は守備が揺らいでもすぐに配置を変えず、既存のシステムの中で選手に対応を求めてきました。今回はカラベツを欠き、守備の組み合わせも変わった状態で、プレスの強いチームと対戦します。ただし、リレストロムが序盤にボールを奪うことと、得点することは別です。今季のアウェー9試合のうち5試合で無得点だった記録は、作ったチャンスを決め切る必要があることを示しています。
サイドではフェリックス・ヴァの位置取りが重要です。ヴァはブランとのアウェー戦で相手の右SBを抜き、先制ゴールを決めました。同じサイドから攻めれば、スパルタ・プラハの右SBと対峙する可能性が高そうです。反対側もリネシュの欠場により、リレストロムのクロス攻撃への対応が求められます。スパルタ・プラハがサイドの守備を助けるために同じ側のMFを下げれば、その選手は中央でプレスを外す役割を同時に担うのが難しくなります。守備のサポートと攻撃への前進をどう分担するかで、カラベツ不在の影響は大きくも小さくもなります。
逆側のサイド攻撃では、スパルタ・プラハにもチャンスがあります。リレストロムはSCUトレンセ戦で両サイドからのクロスを防げず、ペナルティーエリア内の相手FWも見失い、2失点しました。スパルタ・プラハはアララト・アルメニア戦で途中出場選手のクロスをヘディングで仕留めています。リレストロムが高い位置からプレスをかけた後、長い時間自陣に押し戻されれば、スパルタ・プラハのサイド攻撃とゴール前の守備が直接ぶつかります。相手にボールを持たせた試合でカウンターから得点機会を作ったことと、モルデ戦で期待失点2.95を記録したことは、あわせて見る必要があります。相手にボールを委ねる戦い方が、そのまま安定した守備を意味するわけではありません。
セットプレーも両ゴールに影響する可能性があります。スパルタ・プラハのトビアシュ・グダルはアララト・アルメニア戦でコーナーキックから2ゴールを挙げ、カラベツを欠いたパルドゥビツェ戦では、マチェクのコーナーキックをゼレニーがヘディングで決めました。一方、スパルタ・プラハはアララト・アルメニア戦までの今季11試合で、セットプレーから6失点しています。カラベツがいなくても得点ルートは残っていますが、リレストロムにもセットプレーやクロスから反撃する余地があります。
後半は両監督の交代策が試合の流れを変える可能性があります。プリスケ監督はアララト・アルメニア戦で60分台から選手をまとめて交代させ、途中出場のマテイ・ユラセクとヴィドラが4点目を生み出しました。オーデゴール監督もSCUトレンセ戦で後半中盤に前線の選手を大きく入れ替えました。リレストロムが0-0、または1点差でこの時間帯まで持ちこたえれば、途中出場の攻撃陣が新しい守備の組み合わせと対峙します。スパルタ・プラハが先にリードし、その後もリレストロムがプレスを続ける展開なら、今度はスパルタ・プラハの交代選手が相手守備の裏を狙えます。
3. 最終予想と結論
スコア予想はホームチームのスパルタ・プラハを先に記して、2-2または1-1です。より可能性が高い展開は、リレストロムが序盤のプレスでボールを奪うか、ヴァの1対1の突破から先制し、スパルタ・プラハがマチェクのコーナーキックから生まれる空中戦で追いつく流れです。60~75分に両チームの交代攻撃陣がさらに点を取り合えば2-2になります。リレストロムが先制後、ブラン戦のように相手にボールを持たせ、スパルタ・プラハが1点だけ返す展開なら1-1に近づきます。
スパルタ・プラハのホームでの攻撃力は勝利の可能性を支えていますが、カラベツ不在により、プレスを受けた後にボールを素早く前進させる選手が変わりました。リレストロムのプレスはまさにその局面と、新たに組み直す守備陣を狙います。それでもスパルタ・プラハには、カラベツがいなくてもマチェクのコーナーキックやグダル、ゼレニーの空中戦が残っているため、先に失点しても追いつく根拠があります。
市場では、スパルタ・プラハの5連勝とホーム成績、リレストロムがヨーロッパリーグ初戦で敗れたことを受け、ホームチームが主導権を握って勝つ展開に重きが置かれています。ホームでの得点力には同意しますが、カラベツの欠場とリレストロムのハイプレスが重なる序盤を考えると、私たちは引き分けの可能性をより高く見ています。この見立てが変わる条件は、スパルタ・プラハがロングパスとセカンドボールで序盤のプレスを無失点でしのぎ、先にリードすることです。その場合、リレストロムが追いつくためにプレスを続ける間に、メルカドやスパルタ・プラハのサイドアタッカーに追加点のチャンスが生まれる可能性があります。