[26-27 フランス リーグ・アン] RCランス vs パリFC 分析プレビュー キックオフ: 10月25日 03:45(日本時間)
RCランスとパリFCが日本時間10月25日03時45分、スタッド・ボラルト=デレリスでリーグ・アン第8節を戦います。3位のパリFCは首位オリンピック・リヨンと勝点で並んでおり、8位のRCランスは勝利すればパリFCとの勝点差を1に縮めることができます。RCランスがミッドウィークのアウェイ戦を終えてわずか中2日でホームに戻る一方、パリFCは中5日と6日間の準備期間を確保してこの一戦に臨みます。
1. 試合概要および両チームの現状
今季リーグ・アン・7試合 順位・勝点: RCランス 8位・10点 / パリFC 3位・14点 成績: RCランス 3勝1分け3敗 / パリFC 4勝2分け1敗 得点・失点: RCランス 14・11 / パリFC 12・7 無失点試合: RCランス 0 / パリFC 3
データセンターの10月24日付の順位表を見るとパリFCが上位にいますが、ランスは監督交代後、リーグ戦でリヨンとトロワACを相手に連勝を飾りました。9月中旬に就任したヤニック・カユザック監督は、3バックと前線からのハイプレスを継続しながら攻撃陣を立て直しました。その一方で、同期間のチャンピオンズリーグではスポルティングCPに0-2、クラブ・ブルッヘに0-3で敗戦。2試合とも決定機を生かせませんでした。スポルティング戦ではプレスをかいくぐられた後にクロスや裏への抜け出しから失点し、ブルッヘ戦では最初のセーブのこぼれ球から2失点、ボールロスト直後のカウンターから1点を奪われました。公式戦ここ10試合すべてで失点を喫しているという記録は、攻撃の復調とは裏腹に守備の課題が解消されていないことを示しています。
パリFCは、リアム・ロシニアー新監督のもとで順調なスタートを切りました。リーグ戦7試合で4勝を挙げ、直近のスタッド・レンヌ戦では相手のビルドアップに圧力をかけて先制ゴールを奪い、4-3の乱打戦を制しました。ただ、その試合で3本のPKを与えてしまった点は守備陣の反省材料です。0-1で敗れたFCロリアンへの遠征では、60%のポゼッション率と16本のシュートを記録しながらも枠内シュートは3本にとどまりました。相手に自陣深くに引かれてスペースを消されると、ボールを長く保持できても決定機に結びつけるのに苦労する傾向が見られます。
両チームの日程面の差は、スタメンの顔ぶれと合わせて見る必要があります。ランスは10月22日のブルッヘ遠征で、直前のリーグ戦から先発8人を入れ替えました。フロリアン・ソトカとアンドリヤ・ブラトヴィッチは出場せず、フロリアン・トヴァンとキリアン・アントニオは途中出場でした。リーグ戦の攻撃陣の主力は一定の休息を得られた形です。しかし、GKロバン・リセール、マチュー・ウドル、ミハウ・スクラシュはブルッヘ戦にフル出場し、ルベン・アギラールも82分間プレーしました。対するパリFCはミッドウィークの試合がなく、レンヌ戦から中5日で休養十分のうえ、直近のリーグ戦2試合ではまったく同じ先発11人を起用しています。
ランスにとって最大の懸念材料は3バックの台帳です。イスマエロ・ガニウが膝の手術で離脱中で、ジョナタン・グラディは全体練習に復帰したものの今節の招集メンバーからは外れました。マイク・ナヴロツキも欠場します。リヨン戦で相手の裏への抜け出しに対応した3バックの中で、今回出場できるのはアントニオだけです。本職がセンターバックの選手と、ウイングバックとしての経験が豊富なウドルをどう配置するかはスタメン発表を待つことになります。ジャン=クレール・トディボが先発したとしても、最近の試合でのコンディションを考慮すると、試合途中で守備の組み合わせが変更される可能性もあります。
攻撃陣ではアブダラー・シマが負傷で、オドソンヌ・エドゥアールがメンバー外となったため、ランスは後半の交代カードが限られます。トヴァンは今季リーグ戦の全14ゴールのうち9ゴールに得点またはアシストで絡んでいます。リヨン戦ではソトカがトヴァンのパスを受けて先制点を決め、トロワ戦でもトヴァンのサイドへの配球やセットプレーが得点につながりました。アギラールは足首の状態が不安視されますが招集メンバーには入りました。彼が右ウイングバックに入れば、トヴァンが内寄りでボールを引き出した際に外側から厚みを持たせることができます。
パリFCではジョナタン・イコネとンホア・サンギが太ももの負傷で欠場します。ルカ・コレオショの出場可否は予想メディアによって見解が分かれています。コレオショはオリンピック・マルセイユとのアウェイ戦でサイドの裏を突き、開始23秒の電光石火の先制点に絡みました。彼が不在となればモーゼス・サイモンがサイドに入る見込みですが、パリFCがここ数戦維持してきた先発の連係に変化が生じることになります。
ランスは近年の直接対決でパリFCを得意としてきました。昨年10月のホーム戦は2-1で勝利し、今年2月のアウェイ戦では5-0と大勝を収めています。ただし、その5-0の試合で計4ゴールを奪ったウェズレイ・サイードとラヤン・フォファナはチームを去っており、当時の両チームの指揮官も現在とは異なります。今につながるポイントとしては、前回のホーム対決でランスがコーナーキックから2得点を挙げたこと、そしてパリFCがペナルティエリア内のファウルで失点のリスクを広げてしまった点が挙げられます。過去のスコア差をそのまま現在の戦力差に当てはめることはできません。
キックオフの時間帯は雨と強風の予報が出ています。濡れたピッチでのプレッシャーを受けながらのパスワークはミスを誘発しやすく、風は両チームのクロスやロングボールの精度を狂わせる要因になり得ます。どちらに有利に働くかは、実際の風の強さと各チームが選択する攻め方次第となります。
2. マッチアップ分析
最大の注目ポイントは、パリFCのハイプレスとランスのビルドアップのぶつかり合いです。パリFCはRCストラスブール戦の18分とレンヌ戦の14分、相手の最終ラインでのパス回しに激しく圧力をかけてボールを奪い、先制点を陥れました。ラシーヌ・シナヨコはプレッシングに関わりながら味方と細かくパスを交換し、イラン・ケバルやマキシム・ロペスも敵陣でフィニッシュに絡みます。ランスはガニウとグラディを欠く新布陣でこのプレッシャーを受け止めなければなりません。ボールを受ける立ち位置と前進するタイミングが少しでも噛み合わなければ、パリFCにゴール前の極めて近い位置からショートカウンターを浴びることになります。
カユザック監督にも対抗策はあります。ブルッヘ戦の序盤のようにブロックをミドルゾーンに構え、ロングボールで相手のプレスを回避すれば、パリFCがランス陣内で高い位置から奪い返すチャンスは減らせます。ただし、風が強い場合はロングパスの精度が落ちるリスクがあります。ランスがショートパスでプレスをかいくぐれた場合は、逆に大きなチャンスが広がります。リヨン戦では相手の中盤が前がかりになった隙にトヴァンとソトカがその背後でボールを受け、トヴァンのスルーパスが先制点へと直結しました。パリFCの中盤がランスの最終ラインにプレッシャーをかけに行く際、誰がその背後のトヴァンをケアするかが極めて重要です。
ランスの右サイドでは攻守の駆け引きが鍵を握ります。トヴァンが右ハーフスペースで起点を作り、アギラールがサイドをオーバーラップすれば、ランスはクロスとペナルティエリアへの侵入を織り交ぜて崩せます。3-1で勝ったトロワ戦でもトヴァンは2アシストを記録し、アギラールも得点シーンに絡みました。しかし、そのエリアでボールを奪われると、攻め上がったウイングバックの裏を3バックのストッパーがカバーしなければなりません。ブルッヘ戦での3失点目は、トヴァンが相手ボックス付近でボールを失った直後のカウンターからでした。パリFCはマルセイユに3-2で競り勝った試合で、相手サイドバックの裏へ配給したボールをコレオショが受けて決定機を作っています。ランスが右サイドの攻撃比重を高めるほど、パリFCにもその背後を突くスペースが生まれます。
パリFCの最前線に君臨するシナヨコと、ランスのセンターバック陣のマッチアップも見逃せません。シナヨコはリーグ戦7試合で6得点3アシストと絶好調です。ランスは直近のトロワ戦とブルッヘ戦の2試合合計で、リセールのファーストセーブのこぼれ球から3失点を喫しています。これはGKだけの責任とは言えません。最初のシュートを弾いた後、ディフェンダーがいかにゴール前をクリアできるか、相手FWより早くボールに反応できるかが問われる場面です。パリFCがハイプレスやサイド攻撃から最初のシュートに持ち込んだ際、再編されたランス守備陣がセカンドボールの処理まで集中してやり切れるかが勝敗の分かれ目となります。
反対側のペナルティエリアでは、トヴァンのセットプレーがパリFCの守備を脅かすはずです。ランスはリヨン戦でトヴァンのFKにウドルが頭で合わせ、トロワ戦の先制点もトヴァンのCKから生まれました。一方のパリFCはレンヌ戦でリス=メルーとチェルギのファウル、オタヴィオのハンドにより3本ものPKを献上しています。今年2月の直接対決でもオタヴィオがボックス内でファウルを犯し、ランスにPKを与えました。トヴァンの正確なキックに対して両チームの選手が入り乱れる中、パリFCがファウルなしで跳ね返せるかが試されます。強風によりキックの弾道が乱れる懸念はありますが、ランスがCKやFKを獲得し続ければ、ゴールをこじ開けるチャンスは十分にあります。
試合時間の経過に伴い、両者の攻防の比重も移り変わります。パリFCは今季リーグ戦の前半7試合でわずか2失点しか許しておらず、前半をリードして折り返した4試合すべてで勝利を収めています。対するランスは、公式戦ここ10試合で挙げた17ゴールのうち11ゴールを後半に集中させています。パリFCが序盤のハイプレスで先手を取れば、ランスはウイングバックをより高い位置に押し上げて反撃に出る可能性が高く、パリFCはその背後の広大なスペースを狙えます。逆にランスが先制して守備ブロックを低く設定した場合、パリFCはロリアン戦のようにスペースのない相手を崩す展開を強いられます。ただ、ランスがリードする展開になったとしても、後半の守備陣の交代や、ブルッヘ戦で長い出場時間だった選手たちのスタミナ面には留意が必要です。
3. 最終判断および結論
私たちは、パリFCが1点差で競り勝つ可能性がやや高いと予想します。スコアはRCランス 1-2 パリFC、あるいは2-3あたりを見込んでいます。パリFCが前半の早い時間帯にランスのビルドアップに圧力をかけるか、ゴール前のこぼれ球を押し込んで先制し、ランスがトヴァンのセットプレーやペナルティエリア内への崩しから食らいつくという展開です。同点となった後に双方が前がかりになった場合、後半はランス守備陣の急造布陣と疲労の負担が色濃くなり、パリFCがウイングバックの裏のスペースやゴール前の混戦から決勝点を奪うシナリオが現実的です。
ランスの最終ラインはガニウとグラディの不在により、直近のリーグ勝利で見せた位置取りや裏へのケアを同じメンバーで再現できません。パリFCがマルセイユ戦で披露したサイドアタックや、近節で見せている立ち上がりの強烈なプレスは、再編されたランス守備陣に直接大きな負荷をかけます。ランスにはトヴァンを経由した強力な崩しのルートが残されているものの、シマやエドゥアールの不在により後半に前線の構成を変える選択肢が乏しくなっています。ブックメーカーのオッズなど海外市場ではホームの戦績や過去の相性を踏まえてランスをわずかに優位と見ていますが、その数字を打ち立てた監督とアタッカー陣の多くは現在チームにいません。守備陣の役割の空白と試合途中の再編リスクを考慮すれば、パリFCの勝機をより高く評価すべきと考えます。
この見立ては、ランスの新3バックがシナヨコの鋭い飛び出しやファーストセーブ後のこぼれ球に後手を踏み続ける恐れがあるという見極めに基づいています。もしランスが序盤の猛攻を耐え抜き、3バックがその2つの危険な局面を無難にしのいだ上でセットプレーから先制に成功すれば、パリFCは今季あまり経験していないビハインドの状況で堅陣を崩さねばならなくなります。その展開に持ち込めれば、勝負の行方は大きく変わってくるはずです。