【26-27 イングランド・プレミアリーグ】フラム vs ハル 試合分析・プレビュー キックオフ:10月17日 23:00(日本時間)
フラムとハルは17日23時(日本時間)、ロンドンのクレイヴン・コテージで2026-27シーズンのプレミアリーグ第7節を戦います。フラムは開幕から6試合勝ちがなく最下位ですが、ホームではチャンスを作る力を見せています。昇格組のハルは8位につけているものの、相手に許したチャンスを踏まえると、順位ほど安定したチームではありません。
1. 試合概要と両チームの現状
今季リーグ成績 順位・勝ち点:フラム 20位・2点/ハル 8位・9点 6試合の成績:フラム 0勝2分4敗/ハル 2勝3分1敗 得点・失点:フラム 6・10/ハル 8・6 該当会場での成績:フラムはホームで1分2敗/ハルはアウェーで1勝1分1敗
フラムは1951-52シーズン以降で最悪のリーグスタートとなりました(フラム公式、10月15日)。アルバロ・アルベロア監督の去就は、ハル戦と次のコヴェントリー・シティ戦の結果次第になる可能性があるとの報道も出ています。クラブは監督を支持しているとも伝えられていますが、勝ち点が切実に必要な状況であるのは明らかです。一方、昇格組のハルは開幕から6試合で勝ち点9を獲得しました。セルゲイ・ヤキロビッチ監督は、フラムにかかるプレッシャーを利用したいと語っています(ヨークシャー・ポスト、10月15日)。
フラムの未勝利を攻撃面の不振だけで説明するのは難しいでしょう。クリスタル・パレスとのホームゲームでは多くのチャンスを作りながら2-3で敗れ、前節のイプスウィッチ・タウン戦でもシュート数と期待得点で上回りながら1-2で落としました。今季リーグで挙げた6得点はすべて64分までに生まれています。マンチェスター・ユナイテッド戦では63分にリードしながら89分に同点弾を許し、イプスウィッチ戦では55分に先制した後、88分とアディショナルタイムに失点しました。どちらの試合でも、リードした後にボールを運べる選手を交代させ、前線でボールをキープできなくなりました。アルベロア監督はイプスウィッチ戦後、もっとボールを保持すべきだったと認めています(フラム公式、10月10日)。
ハルは公式戦ここ5試合で勝てていませんが、その間にチェルシーとエヴァートンから引き分けをもぎ取りました。リーグ開幕から3試合連続で無失点だったのは、コンスタンティノス・ツォラキスの好セーブや相手の決定力不足も影響しています。その後のリーグ3試合では6失点。ニューカッスル・ユナイテッドとのアウェー戦では開始7分で2点を失い、エヴァートン戦ではリードした後、ボールを持つ相手に積極的に対応できなかったとヤキロビッチ監督が振り返りました。ハルもリードを守る力を証明したとは言えません。
両チームの基本的な攻め方は異なります。アルベロア監督のフラムは4-2-3-1でサイドバックを押し上げ、アレックス・イウォビとジョシュア・キングが内側でボールを受けます。ヤキロビッチ監督のハルは守備時に5-4-1でボックス前に人数を置き、ボールを奪うとオリヴァー・マクバーニーへロングパスを送ります。今季のハルはボール支配率32.3%でリーグ最下位、ロングパスの割合はリーグ最多です(スポーツ・モール、10月16日)。フラムが長くボールを持つ展開には両チームとも慣れていますが、その支配が得点につながるかは別の話です。
出場に関するポイント ハル:ノエル・メンディが欠場。センターバックの層とセットプレーでの高さが低下 ハル:モハメドアリ・チョとリュカ・グルナ=ドゥアトが欠場。後半の攻撃交代要員と中盤の選択肢が減少 フラム:アントニー・ロビンソンは出場可能。左サイドから再び攻撃参加できる見込み
メンディの位置には19歳のルーカス・ヘリントンが入る見通しです。ハルはシーズン序盤、セットプレーから多くの得点を挙げており、メンディも開幕戦でヘディングゴールを決めています。彼の不在は守備だけでなく、攻撃時のセットプレーにも影響します。チョはニューカッスル戦で途中出場から追撃弾を決めた選手です。前節エヴァートン戦で途中出場から同点ゴールを挙げたモハメド・ベロウミは、今回は先発復帰が予想されます。そのためハルの後半の攻撃は、先発選手の体力と残りの交代要員により頼ることになりそうです。
ロビンソンが復帰すれば、フラムは左サイドの攻撃の選択肢が増えます。ただし、彼が前に出る際には、逆サイドのサイドバックも上がったときの守備を管理する必要があります。クリスタル・パレス戦では、フラムは右サイドバックの背後を何度も突かれました。対戦成績は判断材料として重視しにくいでしょう。フラムは直近の対戦4試合をすべて無失点で勝っていますが、最後の試合は2023年のFAカップで、当時の監督や選手は現在と異なります。
2. マッチアップ分析
フラムがまず狙いたいのは、ハルの中盤とディフェンスの間です。ハルが5-4-1で引いて守ると、中央のマット・クルークスとリーガン・スレイターは、フラムの2列目の選手が内側へ動く場面に対応しなければなりません。ヤキロビッチ監督はニューカッスル戦の失点後、守備と中盤の間のスペースを管理できなかったと指摘しました。イウォビとキングがそこでボールを受けて前を向ければ、ゴンサロ・ガルシアへのパスや自らのシュートにつなげられます。
ハルはセンターバックが前に出てボールを受けた選手を止めるか、中盤の選手が戻ってボックス前を守る形で対応できます。それが機能すれば、フラムはボールを長く持ちながらも、ブロックされたシュートを繰り返すことになりかねません。サンダーランドとのアウェー戦では、フラムはボール支配率58%を記録しましたが、9本のシュートのうち7本をブロックされ、枠内シュートはありませんでした(データセンター)。一方、今季リーグ戦で期待失点が示されたハルの4試合は、すべて1試合あたりの期待失点が1.29以上でした。フラムがボックス付近まで攻め込める可能性と、ハルがチャンスを完全には封じられない可能性の両方を考える必要があります。
セットプレーもフラムの得点ルートです。イプスウィッチ戦の先制点は、イウォビのコーナーキックのこぼれ球をライアン・セセニョンがシュートして生まれました。メンディを欠くハルは、最初のボールを競る守備選手を1人失います。フラムがコーナーキックから得点するには、最初の競り合いだけでなく、ボックス外にこぼれたボールを再び攻撃につなげる必要があります。ツォラキスのセーブも鍵です。期待得点が示された今季のリーグ5試合すべてで、フラムの実得点は期待得点を下回っています。チャンスを作る優位性は先制点を挙げる根拠になりますが、この記録だけで得点のタイミングまで決めつけることはできません。
ハルの攻撃はマクバーニーへの最初のパスから始まります。マクバーニーがセンターバックと競り合った後にハルがセカンドボールを拾えば、ベロウミやサイドの選手がフラムのサイドバックの背後へ走り込めます。コヴェントリー・シティとのアウェー戦で決勝点を挙げたのも、ベロウミの縦パスを受けた途中出場のリアム・ミラーによるカウンターでした。フラムのサンダー・ベルゲとシェイ・チャールズがこぼれ球を先に回収できれば、ハルの攻撃回数を減らせます。回収できなければ、ハルは少ないパスでフラムのペナルティーエリアに迫るでしょう。
この勝負は、フラムが先制した後にさらに重要になります。マンチェスター・ユナイテッド戦ではキングを下げてDFを追加した後、前線へのつなぎを維持できませんでした。イプスウィッチ戦でも複数の選手を交代した後、自陣からボールをクリアする場面が増えました。そのボールをハルが回収すれば、マクバーニーの競り合いとサイドからの攻撃が繰り返される可能性があります。ハルはチェルシー戦、ニューカッスル戦、エヴァートン戦で、いずれもビハインドから得点を挙げています。ただし、その反撃に関わったチョは欠場し、ベロウミは先発復帰が見込まれるため、過去の試合と同じような途中出場選手の効果を前提にはできません。
フラムが先制しても、試合が一方的に進むとは限りません。ハルが同点を狙って前に出れば、フラムは相手サイドバックの背後を攻められます。アルベロア監督がキングとボールを運べる選手を残し、ハルのプレスをかわしてボールを保持できれば、追加点の可能性もあります。ハルが先制した場合、フラムはボックス前に人数を置く守備を崩して決める必要があり、サイドバックを押し上げるほどカウンターへの備えも求められます。どちらが先制しても、その後ボールをどう保持し、相手の前進にどう対応するかが勝敗を大きく左右します。
3. 最終見解と結論
スコア予想はフラム1-1ハルです。フラムはハルの中盤と守備の間でイウォビとキングがボールを受け、メンディを欠く相手のボックスをセットプレーから攻めて先制する可能性が高いと見ています。しかし、今季のマンチェスター・ユナイテッド戦やイプスウィッチ戦のように、リード後にボールを運ぶ選手を下げて守勢に回れば、ハルはマクバーニーの競り合いとセカンドボールから後半の同点弾を狙えます。同点後はハルが再び守備の人数を保ち、フラムはツォラキスと密集した守備を相手に追加点を挙げる必要がある展開を予想します。
市場は、フラムのチャンス創出力とハルの欠場者を根拠にホームチームの勝利を評価しています。その見立てには根拠がありますが、フラムがリード後の試合運びや交代によって勝ち点8を失ってきたことを考えると、勝利予想には慎重になる必要があります。ハルもリードを守るのに苦労しており、今回は後半の攻撃の選択肢も減るため、アウェーチームが逆転する展開より、1点ずつを取り合う接戦の方が有力です。アルベロア監督がリード後もキングやボールを運べる選手を残してポゼッションを維持できれば、ハルの後半の同点ルートは狭まり、この見通しは変わる可能性があります。