【26-27 スペイン プリメーラ】ラシン・サンタンデール vs RCDエスパニョール 分析プレビュー 試合開始:10月24日 23:15(日本時間)
ラシン・サンタンデールとRCDエスパニョールが、10月24日23時15分(日本時間)にエル・サルディネロでプリメーラ第10節を戦います。両チームは9試合を終えた時点でともに勝ち点8で並んでおり、降格圏とはわずか1ポイント差です。ラシン・サンタンデールは今季のリーグ戦で獲得した勝ち点をすべてホームで挙げており、一方のエスパニョールはホームよりもアウェイで好成績を残しています。
1. 試合概要および両チームの現状
プリメーラ9試合終了時点 順位・勝ち点:ラシン・サンタンデール 17位・8点 / RCDエスパニョール 16位・8点 得点・失点:ラシン・サンタンデール 13得点・25失点 / RCDエスパニョール 11得点・12失点 今節と同条件の成績:ラシン・サンタンデール(ホーム4試合)2勝2分け / RCDエスパニョール(アウェイ4試合)1勝1分け2敗
両チームとも直近のリーグ戦4試合は1分け3敗にとどまっていますが、ラシン・サンタンデールの未勝利を今回のホームゲームでの攻撃力低下と直結させて捉えるのは早計です。4試合中3試合がアウェイであり、唯一のホーム戦となったバレンシア戦では20本のシュートを放って2-2と引き分けました。今季アウェイの5試合は全敗で18ゴールを許しているものの、エル・サルディネロではリーグ戦のホーム4試合すべてで2得点以上を記録しています。
かといって、ホームで危なげなく試合を運べているわけでもありません。ラシン・サンタンデールはリーグ戦9試合すべてで失点しており、ホーム4試合でも毎回ゴールを奪われています。エルチェ戦ではヤシル・ザビリが前半にハットトリックを達成したものの、ザビリとイニゴ・ビセンテをベンチに下げたあとに2失点を喫し、3-2の辛勝でした。アラベス戦の2-1の勝利でも、フレン・アギレサバラの7セーブに助けられました。ラシン・サンタンデールが本拠地で積み上げた勝ち点は、堅守で封じ込めた結果というよりも、失点しながらもそれ以上に奪い返した結果と言えます。
RCDエスパニョールは5度の敗戦のうち4試合が1点差負けです。守備が一度に大量失点を許すケースは少ないものの、今季2得点以上を奪った試合も2回しかありません。オサスナへのアウェイ戦では開始3分の先制ゴール後、相手にポゼッションを譲りながらカウンターから2-0と突き放しました。マラガへのアウェイ戦ではブライアン・サラゴサが相手ボールを奪った直後にドリブル突破から先制点を挙げたものの、90+3分に失点してドローに終わっています。相手が長くボールを保持する試合展開はエスパニョールの攻撃スタイルに合致しているものの、リードした展開を最後まで守り切れない弱点も露呈しています。『SPORT』紙は、エスパニョールが今季85分以降やアディショナルタイムに失った勝ち点を4ポイントと試算しています(10月21日付)。
両監督の基本布陣は4-2-3-1です。ホセ・アルベルト・ロペス監督は前線からのハイプレスと積極的な前進を維持しつつ、ボールロスト直後の鋭いトランジションから失点する課題の修正を図っています。一方のマノロ・ゴンサレス監督は相手に応じて陣形を柔軟に変えてきました。アトレティコ・マドリード戦では5-4-1を採用して89分までスコアレスを保っており、今節も5バックを敷く可能性が取り沙汰されています。ただ、指揮官は前日会見で採用するシステムを明言しませんでした。
チーム情報 ラシン・サンタンデール:離脱者 セカンドGKのシモン・エリクソン / 影響 アギレサバラがリーグ戦9試合すべてに先発出場中 RCDエスパニョール:離脱者 キケ・ガルシア、ホフレ・カレラス / 影響 先発よりも前線の交代カードへの影響が大きい
キケ・ガルシアは今季の出場時間が0分にとどまっており、彼の不在によってこれまでの先発アタッカーが欠けるわけではありません。ただしエスパニョールがビハインドで後半を迎えた場合、ロベルト・フェルナンデスとともに最前線でハイボールを競り合える駒を補強するのが難しくなります。膝の負傷から戻ってきたハビ・プアドは前節で8分間プレーしましたが、マノロ・ゴンサレス監督は復帰プロセスを慎重に進める意向を示しています。ラシン・サンタンデールは右ウイングの選考に選択肢を残すものの、主な得点源であるビセンテとザビリは引き続き起用される見通しです。
両チームの直近の対戦は、2023-24シーズンのセグンダ・ディビシオンでの2試合です。互いにホームで2-0と勝利を収めましたが、今回はカテゴリーが異なり、主軸選手も様変わりしています。日程面では両者とも前節から約1週間のインターバルがありました。今節の後にはそれぞれカップ戦が控えており、エスパニョールは続くリーグ戦でビジャレアルへのアウェイ戦、ラシン・サンタンデールはレアル・マドリードとのホーム戦を迎えます。現在の招集メンバーや先発予想を見る限り、今節で主力を大幅に温存する兆候は見当たりません。
2. マッチアップ分析
ラシン・サンタンデールがホームでボールを保持して攻勢に出れば、エスパニョールはアウェイで結果を出してきた得意のスタイルで対抗できます。ラシン・サンタンデールはホームでのアラベス戦とバレンシア戦でいずれもポゼッション率50%を上回りました。対するエスパニョールは、オサスナへのアウェイ戦を支配率40%で制しています。したがって単なるポゼッション率の高さよりも、ラシン・サンタンデールがどの位置でボールを失い、エスパニョールが奪い返したボールを誰につなげるかが勝負のポイントになります。
ラシン・サンタンデールの左サイドでは、ビセンテがザビリへ効果的なパスやクロスを供給し続けています。ザビリはリーグ戦9試合で7ゴールをマークし、ホームの総得点9点のうち6点を叩き出しました。エルチェ戦では相手GKにプレスをかけてボールを奪取し、ディフェンスラインの背後へ抜け出してゴールを奪いました。バレンシア戦ではビセンテが守備網の間隙を縫って通したパスに合わせてネットを揺らしています。エスパニョールがディフェンスラインを押し上げたり、最終ラインでの処理を誤ったりした際には、このコンビネーションが極めて大きな脅威となります。
マノロ・ゴンサレス監督が5-4-1を選択した場合、ザビリが守備陣の背後で使えるスペースは限定される可能性があります。3人のセンターバックが中央後方に残るためです。ラシン・サンタンデールはエルチェの5-4-1に対して3ゴールを奪った実績がありますが、当時のエルチェはディフェンスラインを高く保っており、GKのクリアミスもありました。エスパニョールがアトレティコ・マドリード戦のように重心を低く構えて守りを固めた場合、ザビリが直面する条件は大きく異なります。
5バックを採用するエスパニョールにも懸念材料はあります。アトレティコ・マドリード戦では、最終ラインと中盤の距離が空きすぎた点が指摘されました。今節もそのスペースを空けてしまえば、セルヒオ・カナレスがフリーで受けて、イバン・マルティンのエリア外からの強烈なシュートや、ビセンテのサイド突破へと展開されかねません。イバン・マルティンはバレンシア戦でもエリア外からのシュートで得点を奪っています。エスパニョールがザビリの裏への飛び出しを警戒するあまり引いてしまうと、カナレスがボールを引き出すバイタルエリアのケアを中盤の選手が徹底しなければならなくなります。
逆サイドの攻撃の鍵を握るのはサラゴサとハビエル・エルナンデスです。サラゴサはマラガ戦で相手のボールロストを見逃さず、左サイドからDF2人を振り切って先制点を奪いました。ハビエル・エルナンデスはラージョ・バジェカーノ戦で高く設定された相手ディフェンスラインの背後へ鋭いパスを送り、ロベルトのゴールをアシストしています。ホセ・アルベルト監督自身も、自チームがボールを失ったあとの素早いトランジションから失点している課題を認めています。ラシン・サンタンデールが中盤で不用意に失い、ハビエル・エルナンデスが前線へ配球できる体勢を作れれば、エスパニョールは低いボール保持率でも決定機を生み出せます。
ただし、これにはエスパニョールの守備ブロックの位置取りが大きく関わってきます。サラゴサとハビエル・エルナンデスが自陣深くへ吸収されて守備に奔走すると、ボールを奪い返したあとにロベルトのいるエリアまで前進させる距離が長くなってしまいます。アトレティコ・マドリード戦では低い守備ブロックを長く保ったものの、カウンターの決定機はほとんど作れませんでした。マノロ・ゴンサレス監督は今節に向けてサラゴサへのボール供給を増やすと語っています。サラゴサが高い位置でボールを受けられれば、ラシン・サンタンデールのボールロストを突く攻撃は威力を増します。その一方で、サラゴサの守備負担が減るエリアでは、ラシン・サンタンデールの右サイドからの攻勢を受け止めるリスクも抱えます。
エスパニョールが4-2-3-1に戻す場合、右サイドのアタッカーにはタイリス・ドランが入る可能性があります。オマル・エルヒラリとドランがオーバーラップする右サイドは、ビセンテとホルヘ・サリナスが攻め上がるラシン・サンタンデールの左サイドと真っ向からぶつかり合います。エスパニョールはビセンテとサリナスが前線へ上がったあとの広大なスペースをカウンターで突くチャンスが生まれる一方、中央のCBが2枚になる配置では、ザビリのライン間への抜け出しにも目を光らせなければなりません。先発にバーニャ・ドルクシッチが含まれるかどうかによっても、両チームの狙い目の攻撃ルートが大きく変わってきそうです。
後半の選手交代も勝敗を大きく左右します。ラシン・サンタンデールはエルチェ戦でザビリとビセンテを同時にベンチに下げたあと、2失点を喫して詰め寄られました。今節は怪我から戻ったアンドレス・マルティンを後半のアタッカーとして投入できる利点があるものの、交代後も守備の陣形を保ち続けられるかが問われます。エスパニョールはビハインドの状況で後半から攻撃の枚数を増やし、同点に追いついてきた粘り強さを持っています。しかしキケ・ガルシアを欠く今節は、前線にハイボールのターゲットを増やす手が打てません。逆にリードを奪ったとしても、守備ラインが下がりすぎれば、後半にラシン・サンタンデールが再び波状攻撃を仕掛ける時間帯を与えてしまうことになります。
3. 最終判断および結論
試合はラシン・サンタンデールがポゼッションを高め、RCDエスパニョールがボール奪取からの素早いショートカウンターを狙う構図になると予想します。優勢なのはラシン・サンタンデールですが、失点の可能性も十分に孕んでいます。エスパニョールが5バックを敷いてきた場合、ザビリの背後への飛び出しは制限される可能性があるため、ラシン・サンタンデールとしてはカナレスが受ける位置の活用やイバン・マルティンのミドルシュート、セットプレーなどを絡めた崩しが欠かせません。
ラシン・サンタンデールのホームでの攻撃力は、直近の未勝利期間にあってもバレンシア戦で20本のシュートを放つなど高い脅威を保っています。一方のエスパニョールは今季終盤の失点で勝ち点を落としがちで、先行されて追う展開になった際の最前線の交代カードも限られています。両チームとも後半の守備対応で失点してきた経緯があるだけに、60分以降の交代策と終盤のディフェンスラインの設定位置がスコアの明暗を分ける可能性が高いと見ます。
オッズ市場ではエスパニョールの優れた得失点差やアウェイ戦の戦績を根拠に両者の力関係を拮抗と捉える傾向がありますが、その数字だけではエスパニョールが追いかける展開での打開策の乏しさや、リードしたあとの終盤の脆さまではカバーし切れません。予想スコアはホームのラシン・サンタンデールから見て2-1、あるいは3-1を想定します。エスパニョールの5バックが中央突破を阻んだとしても、ラシン・サンタンデールが中盤のギャップやセットプレーからこじ開け、エスパニョールも相手のミスを突いた鋭いカウンターから1点を返す展開です。エスパニョールが追いつくためにサイドバックまで押し上げれば、ザビリがダメ押しゴールを奪うスペースも広がります。ただし、エスパニョールの中盤がカナレスの前を向くスペースを徹底して封じ込める展開が続けば、ラシン・サンタンデールの攻撃ルートは大幅に削られ、この見通しも崩れる余地を残しています。